市民力・地域力・行政力、総動員で達成を(前)
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熊本市 政策局 復興部 復興総務課長 原口 誠二 氏
“あの日”から1カ月が過ぎた今も、体感余震が1,200回を超えるなど、予断を許さない状況下にある熊本市。それでも未来《あす》を見据え、1日も早い復興を目指し先頭に立つ復興部。今回、その活動内容、そして被災地における現状を、復興総務課長の原口誠二氏におうかがいした。
5月6日に新設された復興部の役割
――本日は大変お忙しいなか、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。早速ですが、まずは復興部が担われている役割などについてお聞かせください。
原口 最初に復興部についてご説明させていただきます。復興部は、5月6日に専管組織として、政策局の中に立ち上がりました。そして、復興部は主に3つの課から成り立っています。復興総務課、生活再建支援課、住宅再建支援課の3つです。
仕事の内容と致しましては、復興総務課では国・県への要望書、災害救助法に係るものなど、書類関係の取りまとめを主に担当しております。また、復興計画の策定、復興部全体の運営なども復興総務課で行っています。
生活再建支援課では、生活再建のために必要となる義援金の配分、融資制度のご相談など、被災された方にとっての総合的な相談窓口を担っています。
住宅再建支援課は、仮設住宅への入居、避難所から仮設住宅への移動にともなう調整等を担当しています。仮設住宅の建設等は担当課である住宅課・土木サイドが行いますが、仮設住居への入居を必要とされる被災者の方への直接的なフォローは、住宅再建支援課が行っています。
――現在、仮設住宅の状況はどうなっているのでしょうか。
原口 仮設住宅は現在建設中です。計画着工戸数を申し上げますと、現時点(2016年5月26日)で450戸を予定しております。そして、現在着工がスタートしているのは、3カ所で166戸分となっています。また、工期は約1カ月かかると聞いておりますので、実際に入居が可能となるのは、早くとも6月中旬からになるかと思われます。ですので、166戸分に関しましては、6月中旬から下旬にかけて、入居可能になるかと思われます。
――現状では、予定されている450戸に対して、約300戸ほど不足しているわけですね。
原口 はい。ただ、震災直後は最大で11万人の方が避難生活を余儀なくされていると言われていましたが、5月25日13時時点では、避難所66カ所で1,415人となっています。
ただし、前日となる24日19時時点では、避難所71カ所で2,448人となっています。昼間に仕事をされている方が、仕事を終えた夜に避難所へ帰って来ているということです。また、自宅に帰っておられた方が、避難所に戻って来るという場合もあります。さらにいうと、避難所では食料を無償提供していますので、それを目的に来られる方も、なかにはいらっしゃいます。
避難所を利用される方の最大値を約2,500人とした場合、そのなかで、本当に住まいを失ってしまった方、あるいは、住まいはあっても(被災建築物応急危険度判定で)赤紙判定を受けて、次に余震がくれば危険な状況にあるという方、そうした方たちが本当は何名いらっしゃるのか、その確認を各区役所が現在行っているところです。
その人数を確定させてから、準備している250戸の市営住宅を無償で開放し、一次入居というかたちで入っていただこうと考えています。その後、着工中の仮設住宅166戸が完成次第、順次そちらへ移っていただく。そして、その他に本当に仮設住宅を必要とされる方がおられる場合に、あと何戸必要なのかを確定させたいと思います。
東日本大震災以降は、見なし仮設住宅制度といって、民間の賃貸住宅を市が借り上げる、または被災者の方がご自分で必要な手続きを行い、借りることが可能です。自宅が全壊、もしくは大規模半壊という条件がありますが、見なし仮設住宅としての利用が認められれば、敷金礼金、そして家賃も無料になります。この見なし仮設住宅を利用される方のことも念頭に置きながら、また、避難所での生活を余儀なくされておられる被災者の方への意向調査なども含めて、本当に建設が必要な仮設住宅の数を決めていく必要があります。この調整が、現在進行中です。
ですので、先ほど仰られた約300戸の不足分というのは、場合によっては建設する必要がなくなる可能性もあります。物件を求めて市外に出ていかれる方もおられますが、不動産業者の話として、余裕物件はあるようです。戸数でいいますと、地場大手不動産業者2~3社で約1,000戸以上は用意できるとうかがっております。
ただし、一部が被災して修繕が必要なものも多いようです。ですので、修繕が進んでいけば市内でも十分物件を見つけられる状況になると思います。ただ、業者の方も通常次の入居が決定してから修繕の準備に入られますので、住居を求められている被災者の方と、業者間における時間的な制約とのマッチングの問題もあるかと思われます。
また、地域によってはそもそも民間賃貸住宅がない場所もあります。例えば、熊本市城南地区です。ここは比較的農家の方が多く、家畜が飼育されているような場所です。先ほど申し上げました建設中の仮設住宅166戸のうち、100戸近くは、そうしたエリアでの建設が主となっていくことになるかと思われます。
(つづく)
【代 源太朗】<INFORMATION>
熊本市政策局復興部
復興総務課/TEL:096-328-2971
生活再建支援課/TEL:096-328-2972
住宅再建支援課/TEL:096-328-2973
住所:熊本市中央区手取本町1-1関連キーワード
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