市民力・地域力・行政力、総動員で達成を(中)
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熊本市 政策局 復興部 復興総務課長 原口 誠二 氏
求められる避難所の衛生管理
――そうした状況のなかで、テレビなどで散見されるのが車中泊の問題です。
原口 はい。ただ、一時期に比べると随分落ち着いてきていると思います。ピーク時と比べると、約10分の1程度になっています。ピーク時は、中学校のグランド、公園のパーキングエリアなど、1カ所に2,000台の車が集まっていた時もありました。こうした状況が何故起こったのかというと、大きな理由は水と震災の多さです。戸建て集合住宅関係なく、自宅の水が出なくなってしまったところが多いんです。
そのため、車中泊をされる方が増えたのだと思われます。避難された方の生命が第一ですので、まずは避難所におられる方のフォローアップを徹底しています。どこの誰が来ているのかの確認など含め、各区役所とも連携を取りながら進めている状況です。こちらの方もだいぶ落ち着いてまいりました。
現在、22カ所の拠点避難所を指定させていただいております。こちらに関しましては、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などを備え、衛生面への対応を図っております。また、被災者の方にも指定避難所への移動を呼びかけています。もちろん、「ここに居たいんです」という方もおられるので、その場合には熱中症対策を講じさせてもらっています。拠点避難所と同等の環境を整えることはできませんが、可能な範囲内で最善の対応をさせてもらっています。各避難所にはその施設のトイレも備わっていますのでそれほど不自由はありません。それでも、ピーク時には344基の仮設トイレが設置されました。
現在では、十数基まで落ち着いています。詳しい数字は現在把握できてはいませんが、県外からの調達ももちろんありました。市内のレンタル・リース業者からもご協力いただきましたが、やはり限界はありますので。
――そのようななか、政府は今回の熊本震災を受け、約7,800億円の補正予算案を決定しました。
原口 はい。約7,800億円のうち、780億円は被災者の方たち、とくに被害の大きかった益城町などの仮設住宅整備に充てられます。残りの約7,000億円に関しましては、実際に予算がおりるまでの被災地状況等を見ながらになるかと思われます。というのも、市として国・県への要望をこれから出していきますが、県・市ともに、国に求めているのは東日本大震災と同程度の補助内容をいただきたいということです。そして、市としましては、財源が市の一般財源となるのか、国からの補助金になるかは別として、今の国庫補助にない項目、つまり住民の皆さんからの要望の部分を求めていきたいと考えています。
例えば、液状化による宅地被害。自宅そのものは無事だったとしても、地盤の流動化による被害は少なからず出ます。また、各記念碑の問題もあります。戦没者慰霊碑や、各自治会にあるようなものまでさまざまです。倒れて割れてしまったものなど、組み立て直せばいいのでしょうが、クレーンの使用など、一定以上の費用がかかってきます。
お墓の問題もあります。個人で対応するとなれば、修復するのにも10万~100万円、完全に立て直すのであれば100~300万円は必要になってくるでしょう。費用負担は莫大なものになります。そうした問題に対して銀行が個人に融資してくれるかというと、難しいでしょう。ですので、被災者個々人の生活支援のメニューの充実を、市の方では図っていきたいと考えています。当然、あくまで例ですので、それ以外の要望も市民の方から上がってくると想定されます。残りの約7,000億円は、そうした市民の声、そして道路・橋などのインフラ整備に充てられればと思います。
(つづく)
【代 源太朗】<INFORMATION>
熊本市政策局復興部
復興総務課/TEL:096-328-2971
生活再建支援課/TEL:096-328-2972
住宅再建支援課/TEL:096-328-2973
住所:熊本市中央区手取本町1-1関連記事
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