首都東京奪還する千載一遇チャンスを生かす
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。植草氏は東京都知事選に注目。自公がそれぞれ候補者を立てようとしている状況をチャンスと捉え、民進党が擁立する鳥越俊太郎氏で野党統一候補が実現するかもしれないと期待を掛けている。
参院選が投票日を迎えるまで、メディアは参院選争点を「アベノミクス是非」と報じた。一部の健全性を保持するメディアだけが「安倍政治の是非」が争点だと伝えた。「アベノミクスの是非」は安倍氏が発言した参院選争点で、大半のメディアは権力の広報機関に堕しているのである。
他方、投票率は54.7%にとどまった。権力も権力なら国民も国民とも言える部分がある。国民のレベル以上の政治は実現しないと言われるが、約半分の主権者が参政権を放棄する状況は、ウルグアイの元大統領が指摘するように、「少数による支配」を生み出す原因になる。比例代表選挙での全有権者に対する得票率は、
自民が19.6%
公明が7.4%
で、両社合計は27.0%だった。2014年12月総選挙の24.7%よりは上昇したが、全有権者の約4分の1の投票で日本政治が支配されている現状は変わらない。政治に無関心ではいられても、政治に無関係ではいられない。その政治よって「いのちとくらし」、そして「みらい」を奪われぬようにするには、政治に参加して権利を行使する以外に道はない。メディアは投票日まで「アベノミクス」が争点だと言っていたが、開票が始まると「アベノミクス」の文字が消えて、「改憲」一色になった。「クリック詐欺」というのがあるが、これよりひどい。「アベノミクス」自体も詐欺だが、「アベノミクス」で一票を入れたら、もれなく「改憲」が付いてくる、というものだ。安倍政治全体が「ペテンノミクス」と化しているが、その実行部隊が腐敗したマスメディアである。すべてが安倍首相の思いのままに進んでいるようにも見えるが、「好事魔多し」である。ペテンノミクスを打ち砕く、たしかな足音が響き始めている。
北海道、秋田を除く東北、新潟、長野、山梨の地続きの地域は、日本全体の44.8%の面積を占める。この45%の地域では反自公が自公陣営に勝利した。反安倍政権陣営が結束すれば勝利を得ることができることが立証された。重要なことは政策路線を明確にすることだ。そして、投票率を引き上げて、安倍政治を許さない!と考える主権者の背積極的な行動を促すことだ。
さて、政治の関心は東京都知事選に移った。自公サイドが小池百合子氏と増田寛也氏の分裂選挙になることは、千載一遇のチャンスと言ってよい。このチャンスを生かす必要がある。民進党から古賀茂明氏擁立の声が上がったが、古賀氏は新自由主義肯定の主張の持ち主であると言ってよい。「戦争か平和か」という軸では「平和」を選択する立場に立つが、「弱肉強食か共生か」という軸では「弱肉強食」を選択する立場に立つと判断される。この点がネックになって野党統一候補として擁立されにくい面がある。そもそも、「オールジャパン平和と共生」の市民連帯運動は、古賀氏の提唱する「改革」の内容が明確でなく、「改革」が「新自由主義」、「弱肉強食」を肯定するものであるなら、これに同意はできないというところから始動したものである。
民進党が鳥越俊太郎氏の擁立に進み、すでに出馬の意思を表明している宇都宮健児氏との調整が順調に行われれば、鳥越俊太郎氏を都知事選の4野党統一候補として擁立することが実現するかもしれない。本日、7月12日中には候補者の擁立が確定するだろうが、
脱原発、反TPP、反格差
そして、弱肉強食ではなく共生を目指す統一候補の擁立に全力を注ぐべきである。野党統一候補が擁立されるなら、「安倍政治を許さない!」と考える主権者は
この候補者を全力で支えなければならない。※続きは7月12日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1485号「東京も反自公都政確立で鹿児島の快挙に続け」で。
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