2024年12月22日( 日 )

「絶対品質」を合言葉に継手創造企業を目指す(後)

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(株)アクティス

 同社が生み出した新技術、高強度鉄筋専用継手「3CW工法」は、首都圏の高層建築工事の継手として注目されている。この新技術となる3CWは、機械式継手と溶接継手の利点を生かした日本初のコラボ工法で、現存の鉄筋継手では困難とされる高強度鉄筋の良好な継手を可能とした鉄筋継手である。また、従来では不可能であった全周超音波検査を可能としている。さらに、同社が提唱する絶対品質の一環として取り組んだ鉄道のレール溶接継手も、東京メトロや小田急電鉄、新幹線と活躍の場を拡げ、日本全国の安全な鉄道運行の一助となっている。同じく建築工事のなかでも、同社の継手商品、技術が福岡タワー、福岡ドーム(現・ヤフオクドーム)、レベルファイブスタジアム、ホテルレオパレス博多など、多くの建築物に活かされている。

13回を超える鉄筋圧接研究会を開催

(株)アクティス 河村 貴夫 代表<

(株)アクティス 河村 貴夫 代表

 マンションや商業ビルなど、鉄筋コンクリートを有する現代建築物に欠かせない鉄筋を継ぐ方法は、「重ね継手」「ガス圧接継手」「溶接継手」「機械式継手」などがあると紹介した。歴史を持つ工法の「重ね継手」を祖とする継手そのものは、用途に合わせてさまざまな新工法用に、次々と開発進化している。反面、設計・施工段階や管理状況において、多岐に渡り過ぎて問題視されつつあるのも現状である。急速に進化する鉄筋継手に対して、設計や品質管理が追いつかなくなってきたのだ。しかも、オンリーワンの技術を持つ会社は、新技術の受け入れや情報収集に疎くなっていることも挙げられる。何よりも、情報収集と勉強による知識拡大を必要とされる業種になるだろうと河村社長が思っていたとき、日本鉄筋継手協会が2009年秋に「鉄筋継手工事標準仕様書」の大幅な改定を行うという情報が入った。「このままでは取り残されてしまう」という危機感から、継手情報の共有と理解に向けての研究会を発足。現在は、鉄筋継手研究会代表事務局として運営している。

 研究会は年2回開催され、春季では基礎編、秋季では応用編と、要望に応じた講義内容としている。基礎、応用編とも大手ゼネコンの専門スタッフを講師に毎回招聘し、商品の説明だけでなく、実際に商品や測定装置などを会場に配置して、動作方法などが身近に確認できるようになっている。同会への参加メリットは、それだけではない。福岡地区でも建築工事の入札でCPD(継続職能研修)の受講実績などが求められ、CPD認定プログラムへの関心が高まっている。CPDとは、専門職が継続的に技術の向上を図るプログラムのことで、欧米などで導入が進んでいるもの。なお、同会はCPD認定プログラムが認められており、最後まで受講すると参加者全員に3単位が与えられることになっている。

 今後、鉄道・建築などのインフラ整備に付随して、同社の継手技術はますます活躍の場を広げていくだろう。また、自社の発展だけでなく、継手業界を大きく変化させていく未知なる躍動を有する同社。同社のスローガンとして「継手創造企業」と掲げているが、技術を磨き社会に貢献するためには、「まず人ありき」と河村社長。創造会社の要となるのは人材だ。これは同社のロゴマークにも表れており、左手が技術、右手が技能、中央の球体が絶対品質を表しているのだ。

 今後、活躍の場を全国へと大きく展開する同社の、さらなる躍進が期待される。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:河村 貴夫
所在地:福岡県大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-501-5963
URL:http://www.aqtis.biz

<プロフィール>
aq_pr河村 貴夫
1961年5月生まれ。福岡大学卒業後、(株)アクティスに入社。2001年、同社代表取締役社長に就任。趣味は音楽にゴルフ。

 
(前)

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