2024年12月24日( 火 )

間もなく活動開始20年、地雷撤去から「自立支援」へ(前)

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一般財団法人 カンボジア地雷撤去キャンペーン

 カンボジアでの地雷撤去活動支援や被害者救済などを行う一般財団法人カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)。1998年4月の結成以来、その活動は約20年にわたり、地雷被害者数は20分の1ほどに減少した。一方で、対人地雷減少後の新たな地雷問題の表面化、また経済状況の変化も起こった。そのなかで、理事長の大谷賢二氏は地雷で手足を失った被害者の自立支援を行うことこそが重要と考える。

地雷事故被害者数は年々減少

 ――CMCは間もなく結成から20周年を迎えます。現在、カンボジアに埋められた地雷の数はどうなっていますか。

c1 大谷 私が個人的に活動を始めた96年頃、カンボジアに埋められている約1,000~1,100万個の地雷は、現在約300~400万個と、約3分の1にまで減ったと言われています。「言われている」というのは、実際に埋められた数が不明確だからです。カンボジア内戦は東西冷戦や中ソ対立を背景とし、埋められている地雷は中国製、旧ソ連製、ベトナム製、アメリカ製と多岐にわたるため、全体の把握が困難な状況なのです。

 ――これまでの活動を通して地雷の数自体は減ってきていますね。被害者数はどうでしょうか。

 大谷 98年に私が「カンボジア地雷撤去キャンペーン」という名前で活動を始めた時は、年間に2,000名以上の地雷被害者が出ていましたが、2013年には111名にまで減っています。
 しかし、人の往来や物の流通が盛んになってきたことで、新たな地雷問題が表面化しています。人が通っても事故が起こらないため、これまで安全としてみなしてきた地帯、いわゆる「みなし安全地帯」において、バスやトラックの往来が激しくなったことで地中の対戦車地雷が作動するケースが増えています。対戦車地雷は約500kgから1tの重量で作動するものですが、例えば刈入れ後の稲などをたくさん積み、労働を終えた農民が乗り込んだトラクターなどは相当な重さとなり、対戦車地雷を踏むと起爆するのです。
 対人地雷は、そもそも人の命を奪うようには設計されていません。人間の足だけを吹き飛ばし、手負いの兵士を生むことで敵方の戦意、戦力を削ぐことが狙いです。しかし対戦車地雷となると、戦車の装甲を破壊する威力を持ちますから、それに巻き込まれると死に至ります。地雷の探知機と違い、対戦車地雷の発見には専用の探知機が必要です。当然コスト負担も大きく、数名がかりで作業しなければなりません。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
理事長:大谷 賢二
所在地:福岡市早良区西新1-7-10
設 立:2011年4月(結成:1998年5月)
TEL:092-833-7676
URL: http://CMC-net.jp

<PRESIDENT PROFILE>
ootani_pr大谷 賢二(おおたに・けんじ)
1951年、福岡市生まれ。九州大学法学部卒。98年5月、NGOカンボジア地雷撤去キャンペーン結成。2008年12月、アジア人権基金より「アジア人権賞」を日本人として初受賞。11年4月、一般財団法人カンボジア地雷撤去キャンペーンを設立、理事長に就任。

 
(後)

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