2024年11月23日( 土 )

九州地銀の頭取交代~2年で9行(後)

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 今年の頭取交代は3行。昨年は2行と少なかったが、2014年は4行。この2年間で見ると九州地銀の半数の9行だが、2014年4月の熊本銀行と親和銀行までさかのぼると、半数を大きく超える11行の頭取が交代したことになる。
 日銀は今年1月29日にマイナス金利政策を実施。銀行の経営は厳しさを増してきており、九州地銀にとっても例外ではない。その中でも経営規模の小さな銀行にとっては、単独で生き残ることはできない状況に直面している。今まさに経営トップに求められているのは、自行に少しでも有利な金融統合を模索することではないだろうか。
 別表1を見ていただきたい。九州地銀(18行)のトップ経歴である。

<この表から見えるもの>
◆頭取18人の平均年齢は、3人の新頭取誕生により0.6歳若返って63.5歳。また会長9人の平均年齢は69.2歳。銀行のトップにも高齢化の波が押し寄せているようだ。
 この中で注目されるのは、北九州銀行の加藤敏雄会長(68歳)だ。2011年10月に初代頭取に就任して4年余り頭取を務めた。今年6月に会長に就任したものの、九州地銀のトップ27人の中で、ただ一人代表権を持っていないのだ。一体何があったのだろうか。

◆頭取の出身大学では、慶応大出身者が全体の1/3にあたる6人と、圧倒的に多いのが分かる。次は東京大・一橋大・九州大・明治大が各2人で計8名。今後予想される金融再編において、大学が同窓であることは大きな武器となりそうだ。
 残る4人は千葉商科大、学習院大、長崎大、早稲田大。九州地銀18行の頭取のうち、九州の大学出身者は九州大2人、長崎大1人の3人しかいないのは意外といえよう。

◆もっとも在任期間が長いのは、南日本銀行の森俊英頭取(69歳)で、2006年6月就任以来10年。2009年3月に公的資金(整理回収機構)150億円の注入を受けており、引くに引けない特別な事情があるようだ。
 2番目に長いのは筑邦銀行の佐藤清一郎頭取(67歳)と、九州FG会長を兼務する甲斐隆博肥後銀行頭取(65歳)の7年余り。九州FGは昨年10月に発足したが、西日本シティ銀行の追い上げを受けて、足踏み状態にある。ともに慶応大の出身者で、経験豊富なトップ同士。両行にとっては、今こそが経営統合の口火を切る絶好の機会といえるのかもしれない。

◆ここで目につくのは、福岡銀行の柴戸隆成頭取(62歳)と西日本シティ銀行の谷川浩道頭取(63歳)。修猷館の同級生2人が、ともに2014年6月27日に頭取に就任しており、まさに運命的なタイミングと言えよう。
 九州の地銀は将来、ふくおかFG・西日本FH(今年10月3日設立予定)・九州FGの3つを軸に集約されるものと見られており、この二人が九州地銀の金融再編で主導的な役割を果たす日はそう遠くないのではなかろうか。

(了)
【北山 譲】

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