2024年12月23日( 月 )

筑紫女学園新理事長(?)長谷川裕一氏解任の勧め(3)~猪突猛進で上場へ

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特技は「突進力」

 長谷川家の家業=長谷川仏具店は1929年9月に直方市で創業されました。創業者は長谷川才蔵氏で裕一氏の実父であります。裕一氏は63年4月の龍谷大学卒業とともに長谷川仏具店に就職しました。実父・才蔵氏は実に53年間、経営のトップとして82年4月まで采配を取ったのです。凄い精力の持ち主でした。そして裕一氏が事業を継承して経営の最前線=代表取締役社長に立ったのです。

sora-min 長谷川氏は親父のもとで19年間、さまざまな経営構想をめぐらしていたと思われます。負けん気は強い、攻撃心旺盛な人物です。「直方の田舎で終わって堪るか!!日本でトップの企業になってみせるぞ!そのためにはどうすべきか」ということを自問自答していたはずです。仏壇販売の業界では、高い収益を得られる殿様商売が可能であります。各地区で、老舗名門として充分に飯が食える保守的な企業が林立していたのでありました。

 ある日、野心家・裕一氏の脳裏に稲妻が走ったと聞きます。「そうだ!!業界で最初に上場を果たそう」と決断したそうです。この着想は20代の頃だったと思われます。社長になり、本社を福岡に移して即座に88年に福岡証券取引所へ上場をはたしたことは見事、天晴です。「家内企業の仏壇業界で最初に上場させた経営者・長谷川裕一」と世間が高く評価するようになるのは自然の成り行きです。長谷川氏自身の心の中で「してやったり」と喝采したのではないでしょうか!!上場までの快進撃は、同氏の特技である「突進力」を如何なく発揮した時期と言えるでしょう。

上場実績を背景に各方面に打ち出す

 長谷川氏のビジネス人生を区切りましょう。まず第一期は特技とする「突進力」で1988年に上場を果たすまでの忍耐から躍進への期間です。次に、第二期を絶頂・繁栄の時期の98年までとします。第三期が衰退局面、99年以降です。追々、同氏のビジネス人生を分類していきます。ただここで指摘しておきますが、絶頂・繁栄が10年間、意外と早く衰退局面が訪れた原因は、自分の行った後始末を自ら拭き切る能力がなかったからです。誰か彼かに尻を拭いてもらった過去の実績が山積しています。

 筑紫女学園の関係者の皆さん!!これからのことは忘れずに叩き込んでください。学園の経営陣たちは長谷川氏の経営能力を買っているようです。また教職員の方々に長谷川新理事長(?)が「学園経営の再生は任してください」と語りかけていると聞きました。長谷川氏に具体的に聞いてください。「理事長さん!!どのような企業を再生させたか教えてください」と、質問することをお勧めします。

 さて、第二期(絶頂・繁栄期)を説明していきましょう。上場によって絶大な信用を得て、各方面から声がかかるようになりました。上場前の1年前の87年に九州ニュービジネス協議会が立ち上げられたのです。立ち上げ準備段階から長谷川氏はコミットしていました。その実績が認められて発足から副会長を務めたのです。同氏にとってこの組織の副会長ポストは経済界にアピールするステイタスシンボルの1つとなりました。最終的には日本ニュービジネス協議会連合会会長にまで上り詰めたのです。

 福岡に本社を移転させましたが、新参者扱いをされます。直方では親分風を吹かせることはできますが、福岡・博多ではそうはいきませんよねー。既存団体に入会しても一兵卒扱いからスタートです。「どうしても福岡地元の若手経営者たちを結集して存分に旗振りをしたい」という気持ちで勇んでいました。

 86年に「博多21の会」が結成されました。目的は地元福岡で育ち、福岡に基盤を持つ若手経営者、または文化人の会です。長谷川氏はこの会の初代会長に就任しました。94年まで6年間、会長を務めました。そのあとを石村萬盛堂の石村社長、明太ふくやの川原社長などが会長職を引き継いでいます。この「博多21の会」の会長職に就いたことは、長谷川氏にとって最大の成果をもたらしたのではないでしょうか?『福岡若手経営者を牽引する経営リーダー』という地位を確立しました。

 「博多21の会」の活動で一番、惜しまれるのは「24時間運営できる海上国際空港建設」の挫折です。これが実現していれば福岡国際空港はハブ空港になれたと思われます。実現できなかったことは残念でなりません。

 田舎=直方から出てきて上場を果たし、若手経営者たちを領導するリーダーにまで這い上がった長谷川氏。その突進力には感服します。ところが筑紫女学園の関係者の皆さん!! 長谷川氏の絶頂も長続きしませんでした。絶頂・繁栄の第二期中盤、93年あたりから厄介な問題が噴出し始めたのです。

(つづく)

 
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