九州地銀の第1四半期(17/3)を検証(2)
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1.九州地銀の預金残高(2016年6月期)について
別表は九州地銀18行の預金残高順位表である。トップの福岡銀行から最下位の佐賀共栄銀行まで順位の変動見られなかった。<この表から見えるもの>
16年3月末より預金残高が減少しているのは、北九州銀行と長崎銀行の2行。その内訳をみると、北九州銀行は一般預金および譲渡性預金とも減少しており、前期比▲179億円。したがって、16年6月期は再びオーバーローンに逆戻りしている。また短期で利息の高い譲渡性預金が総預金の10.4%も占めており、かなり無理をした預金構成となっているのがわかる。加藤敏雄頭取が今年6月に代表権のない会長に退いた要因の一つではないかと見られている。
一方の長崎銀行は、一般預金が22億円増加しているものの、譲渡性預金を抑えたため、前期比▲38億円となっている。いずれにせよ、両行とも17年3月期の決算で、その成果を問われることになりそうだ。
預金残高トップは福岡銀行の9兆5,688億円(前期比+1.5%)。しかしその中身を見ると、一般預金は前期比▲120億円となっており、譲渡性預金の増加によってプラスを維持している格好だ。
第2位の西日本シティ銀行は7兆9,791億円(前期比+2,158億円)。福岡銀行の+1,443億円を大きく上回っている。また福岡銀行の一般預金がマイナスとなったのに対して、750億円増加していることが目に付く。この勢いを保てば9月の中間期末は8兆円を突破することになりそうだ。10月に設立予定の西日本FHのスタートに向けて、弾みをつけているように見える。
預金残高が第1位の福岡銀行から第6位までの十八銀行、第10位の熊本銀行の7行が1,000億円を超える増加となっているが、大半は譲渡性預金による増加によるものだ。
その中で第3位の肥後銀行の善戦が目立つ。一般預金が3,316億円増加。譲渡性預金の▲1,715億円を差し引いても、総預金は1,601億円増加し、4兆4,167億円(前期比+3.8%)となっているからだ。
もう一つは第6位の十八銀行だ。今年2月26日にふくおかFGとの経営統合を発表。16年3月期は前年比+255億円だったが、16年6月期はわずか3カ月間で1,019億円の増加となっている。ふくおかFGとの経営統合が好感を与えた。一方、18年4月に十八銀行と合併予定の親和銀行は、半分以下の479億円の増加に止まっており、明暗を分けた格好だ。<まとめ>
第9位の佐賀銀行の預金増加額は217億円。第13位の筑邦銀行は212億円の増加。しかし第12位の南日本銀行から最下位の佐賀共栄銀行までの預金増加額は、上位銀行と比較すると大きな差があるのが分かる。この差こそがグループに属していない銀行が、単独で生きていくことが難しい状況にある証左ではないだろうか。(つづく)
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