エンジニア派遣の自信と手応え、目指すは世界市場で勝負する企業(後)
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(株)エヌビーエス
男女関係なく、優秀な人材は大型プロジェクトに派遣
同社の営業スタイルは技術者派遣というかたちをとるものの、全員が正社員採用で終身雇用する。人材育成には投資を惜しまず、ユニークな研修制度も導入している。同社では新入社員が入社すると、必ず1年間のワーキングホリデーを体験しなければならない。エンジニアとして海外に赴任する前から、現地の文化や言語、ものの考えに触れることで、国際感覚を養っておこうとの狙いで、5年前から研修制度に取り入れた。
「ワーキングホリデーは、取引先にも高評価をいただいています。ですから、帰国後には派遣先企業において社員と同等の研修を受けさせてもらえるのです。もちろん、本人が優秀な社員とのレベル差を感じたときは、派遣先と話し合ったうえで転属させるケースもあります」と、石橋社長は育成環境には細心の注意を怠らない。
数年前に入社した女性はワーキングホリデー終了後、技術がわかるスタッフとして総務部に配属された。しかし、大学の同期生が活躍する日揮での業務を自ら希望し、現在では海外の石油化学プラントに携わっている。
男性、女性に関係なく、優秀な人材なら大型プロジェクトに派遣し参画させるのが基本姿勢。そのため採用意欲は旺盛で、国立大理工系を主体に過去5年連続で新卒採用してきており、2016年度は7名を予定する。ミャンマーで現地人を雇用し技術者育成
一方、同社自らが海外の投資先として注目するのが、ミャンマーだ。現テイン・セイン政権下で進められる民主化政策の一環で、15年9月に「ティワラ経済特区」が開業した。ここには12月の段階で日本、米国など13カ国52社が進出。日系企業は自動車関連、電子部品、物流企業などの大手だが、石橋社長は福岡の中小企業にも共同で進出しようと呼びかけている。
「まずは10社くらいを募り、将来的には100社程度で敷地を確保する考えです。進出形態は事業協同組合が良いのか、社団法人がいいのかの検討を要します。経済産業省から補助金を出してもらうため、3月には事業計画書を提出しました」。計画では、ミャンマー人の雇用や人材育成を視野に入れる。リタイアした団塊世代には、高度なスキルを持ったエンジニアが少なくない。まず、彼らに現地で指導してもらいながら3年程度雇用し、技能を習得させる。
そこで、今度は「日本に行ってさらに高度な技術を身につけられる」との目標を設定し、彼らのモチベーションを向上させる2段構えの人材育成強化策だ。同社はミャンマー最大手のエンジニアリング企業で、石油や天然ガスの開発を手がけるパラミ・エナジー・グループともパイプを構築。同グループのピィ・ワ・トゥンCEOが言う「外資が95%の権益を持ち、地場企業に技術や能力がない」との課題に、石橋社長は自社が持つノウハウを活用できればと、思い立ったようだ。
少子高齢、人口減少で日本国内の市場は縮小している。だからこそ、「世界のどこにビジネスチャンスがあるか。中小企業も世界に打って出て、グローバル競争の中で勝負しなければならない」と、石橋社長の志は熱い。(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:石橋 一海
所在地:福岡市博多区奈良屋町5-10
設 立:1985年6月
資本金:4,725万円
TEL:092-263-8833
URL:http://www.nbskk.co.jp<プロフィール>
石橋 一海
1942年福岡県生まれ。高校卒業後、小野田セメントに入社。25歳で退社し、「角栄計装」設立。72年に退社し、「石橋電業社」を設立。88年同社倒産後事業を引き継いだ「エヌビーエス(株)」に入社。92年代表取締役社長就任。法人名
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