2024年11月22日( 金 )

『地域の瓦屋さん』として住まいの安心・安全を提供する(後)

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(有)金谷洋瓦工事店

瓦の素晴らしさを伝承する

 金谷代表のSNSを活用した情報発信は、瓦工事の業界の認知度を高めて、瓦の素晴らしさを伝えるための一助となっている。「コロニアルなど新建材が登場しておりますが、瓦はこれからも存在し続けていきます。なぜなら瓦は、和洋とも長い歴史で培われた耐久性があります」(金谷代表)と述べている。

kanaya2 また、同社は10年以上前から屋根のリフォームに取り組んでいる。新築工事の瓦は洋風がメインだが、リフォームは和風が多数を占めるという。リフォームの工事は、新築工事の2倍の労力を要する。事前準備を含め工事の段取りも煩雑で手間がかかるという。それでも屋根のリフォーム工事を強化するのは、「地球全体で地震や台風などの規模が大きくなり、我が国もそれらの自然災害による被害が甚大になってきている傾向です。比較的築年数が経過しているお客さまは『今の住まいの屋根は大丈夫か?』という課題に直面いたします。そのような課題解決のために、当社は取り組んでおります」(金谷代表)と、屋根のリフォームの重要性を説く。

 屋根の工事もさまざまで、葺替え・葺き直し・差替え・カバーなど、状況によって異なる。それでも新建材より瓦での施工のほうが耐震や強風への対応力は高いという。「施工時に『瓦割り』という工程があります。いわゆる瓦をどこに、どのように、何枚使用するのかを決めるのです。図面を元に、そして屋根の状態を鑑みながら綿密な計算を行い、瓦を葺いていきます。この瓦割りを間違うと、瓦葺きにズレが生じて、完成いたしません。プロとしての技の見せ所で、仕事の精妙さと緻密な計算力が要されます。精妙さと緻密さを求められるのが、屋根の瓦を葺く仕事です。古来の建築技術の良さが現代にも活用されているのは、安心で安全で耐久性に優れ、品質が高いということです」(金谷代表)一方で、耐震や強風に対する技術は、今後もさらに研究開発の必要があると述べている。

 同社は瓦工事の職人の育成と輩出に対しても、積極的に取り組んでいる。それでも職人の担い手はやや不足気味であるという。高い技術力と対応力を求められることと、それ以前に強靭な体力が必要となる。工事の規模にもよるが、1工事あたりの総重量500kgから1tの重さの瓦を運び、屋根に上げなければならない。

 「この作業で根をあげる人々が多い」(金谷代表)と、事前の準備だけでかなりの重労働である。さらには、高いところに長時間いることで、日差しにあたり体力を消耗する。とくに夏場は、その度合いが増すという。過酷な仕事であることは間違いない。そして一人前の職人になるまでは、最低で5年、長くて10年の修業を経て独立した職人になれる。

 長い年月の修業を要する瓦工事職人であるが、一人前になり、より高い技術を目指していけば、生涯にわたり自身の腕一本で生活できる。瓦工事のニーズは、「まだまだ存在し、これからもっと必要とされます」(金谷代表)とますます存在感が高まってくるのだ。

 同社は、『地域の瓦屋さん』として身近な瓦と屋根工事のプロとして、安心安全な住環境を提供し、より多くの人々に瓦の素晴らしさを伝承していく。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:金谷 宏之
所在地:福岡県筑紫郡那珂川町五郎丸1-57
設 立:1976年5月
資本金:500万円
TEL:092-953-5300
URL:http://www.kanaya-kawara.co.jp/

<プロフィール>
kanaya金谷 宏之
1964年12月25日生まれ。学卒後、企業調査会社に2年間勤務。88年2月より父親が経営する(有)金谷洋瓦工事店にて営業として勤務。2005年9月より代表取締役に就任。ボクサーとしても活躍中。

 
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