時代の変化に対応する実践的人材の育成へ(後)~学校法人 福岡工業大学
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キャンパス全域で学習環境を再構築
今回の取材では、初めに、昨年10月にリニューアルオープンした先進的図書館「FIT Link」を視察した。アクティブ・ラーニング(主体的に考える力を伸ばすための教育方法の1つ)の拡大のために透明性・開放性の高い学習空間が設けられた3階フロア。壁全体がホワイトボードとなっているディスカッションブースやプレゼンテーションコートなどを設置。飲食スペースも用意されており、勉強合間に友だちと談笑してリフレッシュできる。4階フロアは、個人学習用に「静隠」な学習空間を整備。5階フロアには、高度な調査・研究に集中するための「超静隠環境」が整備された。特筆すべきは、この図書館が、同学校法人が運営する福岡工業大学や同短期大学部、城東高校以外の学生でも利用が可能となっている点にある。まさに、地域社会の発展に貢献しようという同学の意思を具現化した施設と言うことができるのだ。
福岡工業大学では、図書館のみならず、あらゆるスペースの再構築が進んでいる。たとえば階段の踊り場といったフリースペースにも、ICT環境が付加された円卓テーブルが置かれ、授業の合間といった時間が空いたときに、気軽にグループ学習ができるようになっている。リニューアル後、利用者が増えている学生ホールは、個人・グループ学習エリアのほか、リラックス・リフレッシュ機能も充実した。このほか、高次クリエイター仕様のPCを装備した高度ICT研究・実験室・オープンスペースが整備され、学生の多様な学習ニーズに対応できる設備が整えられている。
9月20日に新棟がオープン
以上のキャンパス全域の再構築は、国や社会から求められる大学改革ニーズに積極的に対応するために行われている。整備の主要な目的は、(1)アクティブ・ラーニングの拡大、(2)情報処理・情報編集技術の高度化、(3)ラーニングコモンズの学習機能向上、(4)キャンパスライフの快適性向上、(5)研究高度化・実用化の加速、(6)キャリア教育・グローバル化教育の高度化、(7)地域社会・産業界と連携強化の7つ。
8月末に竣工した新棟(E棟)は、1階に総合研究機構、56種類の計測ができる高度研究計測センター、産官学連携ラボラトリー、研究発表の場として活用できるリサーチコモンズ、2階にはワンストップで利便性を高める学生サポートセンター(教務課・学生課・大学院事務室・就職課)、3階にフレッシュマンスクール、FD推進機構(FD:教育内容・方法の開発)、大学・地域連携推進室が移転する予定。建物の引き渡し後、引っ越しを行い、9月20日にはオープンする予定だ。
成長を遂げた後も大がかりな設備投資をともなう変革を恐れず、さらなる進化を遂げようとする福岡工業大学。衰退する学校法人が散見されるようになった今、国・社会の発展に必要不可欠な人材育成の機関として、寄せられる期待はさらに高まっていくだろう。
(了)
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