2024年11月03日( 日 )

看板商品と店舗再編に注力し、来たるべきHD化に備える(前)

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(株)如水庵

営業本部、物流を1カ所に集約。投資額は本年度中に即時償却

gyosuian NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放送から約2年、その余韻に浸ることなく、新たな戦略に打って出た(株)如水庵。2月1日には実質的な本社機能を担う営業本部が、古賀市の第4工業団地で業務を開始。菓子商材をはじめ、箱や包装紙などの副資材まで管理、デリバリーする配送センターも併設し、物流効率化によるコストカットに踏み込んだ。

 登記簿上の本社所在地は博多駅前本店に移転した。これらにより本部移転による経費負担は、年間で1,500万円ほど削減される。副資材を在庫し、店舗に配送していた福岡市西区の倉庫も解約。そのため、箱の組み立てやピッキングなどの費用も、月額で半額の50万円程度に抑えられる計算だ。

 「これから菓子箱の組み立ては、障害者の方々にも協力いただく予定です。直営店は副資材を旧本社、古賀工房、西区の倉庫の3カ所に発注していましたが、これが1カ所になるため、慣れるまで多少時間がかかるでしょう。繁忙期は菓子だけでトラックが満載になりますから、副資材だけ別便での配送になると思います」と、森恍次郎社長は語る。

 本部移転の投資額は、3億3,000万円。うち8割を日本政策金融公庫の制度融資で賄い、残りをメーンバンクから借り入れた。公庫融資は「国産農林水産業を取り扱う食品加工・流通業者向け」で、同社がもち粉など国内生産の農産物を原材料とする製造・加工または販売する事業に従事するため、必要な設備資金として使途が設定された。返済期間10年で固定金利0.4%と、利息負担も軽い。
 投資額は本年度に即時償却する。森社長は「経費や金利負担を最小に抑えることで財務面を安定させながら、営業面やブランディングに資源を集中させて、売上の最大化を図る考え」という。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:森 恍次郎
所在地:福岡市博多区博多駅前2-19-29
設 立:1962年6月
資本金:6,100万円
TEL:092-940-0052
URL:http://52-net.com

<プロフィール>
mori森 恍次郎
1947年11月、福岡市生まれ。九州大学経済学部卒業後、70年にガンで他界した父・正美氏の跡を継ぐ。77年には「筑紫もち」を売り出し、同社を代表するお菓子に育て上げる。89年、黒田如水への深い尊敬の念から、販売会社を如水庵と改名する。

 
(後)

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