コンサルプロデュース+リノベーション、新事業への挑戦で第2創業期へ(後)
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(株)シェルフアソシエイツ
免税店の枠を越えた新たな九州観光の拠点
そんな坂口氏および同社が直近で力を入れて取り組んだプロジェクトが、今年6月に開業した「九州国際観光スクエア(KYUSHU INTERNATIONAL SIGHTSEEING SQUARE)」の立ち上げである。これは、現在、訪日外国人旅行客に絶大な人気を誇る福岡市内(博多区西月隈)に、多彩な機能を1つにまとめたこれまでにない新たな郊外型免税店とレストランを融合した、約3,000m2規模の施設を誕生させるというもの。ショッピングもグルメも、そして文化も含めて、1カ所で丸ごと楽しめる九州観光の拠点となり得る新たな施設をつくることで、これまでの免税店の領域には止まらない、新たな地域活性化のモデルをつくろうというチャレンジプロジェクトだ。
「今回の九州国際観光スクエアの開発プロジェクトでは、私のチームは空間のブランド化やトータルプロデュースなどを手がけています。単なる免税店だけですと、今のインバウンドによる爆買いブームが去った後は、目も当てられなくなってしまいます。また多くの地元の人にとっては、免税店というだけで、自分たちには関係ないものだと思われてしまいます。そうではなく、ここに九州中の良い物を集めることで、海外からの誘客も巻き込んだかたちでの地域活性化のモデルをつくろうとしているのです」(坂口氏)。
九州国際観光スクエアで取り扱うのは、一般的な免税店で取り扱うような日用品、化粧品、雑貨、健康食品に加え、九州ならではの特産品や工芸品など。“まるごと九州“をコンセプトとした品ぞろえが特徴である。そうした物産販売所のほかにも、九州の食を味わえるレストランや、九州の文化を体験できるイベントなどの要素も備えている。外国人観光客をメインターゲットに、地産地消や周遊観光、地域発見のモデルとなり得る。そしてそのモデルをパッケージ化して、ゆくゆくは鹿児島や大分など九州各県に展開していきたい考えだ。自社事業への挑戦で新たな柱の構築へ
坂口氏は同社の今後の事業展開について、「不動産の仲介・売買・管理をベースにした、リノベーションの自社事業を行いたいと考えています」と話す。それは、既存の不動産物件を購入し、リノベーションを施したうえで販売するもの。これまで主に行ってきた『人さまのお手伝い』であるコンサルプロデュースから、自社事業としてのリノベーション商品を積極的に手がけていく考えだ。自社事業のリノベーションでは、まずは中古のマンションや戸建てをターゲットに購入し、リノベーションを施したうえで販売する。それが段々と軌道に乗ってくれば、次のステップではマンションを1棟丸ごと購入し、それをリノベーションしたうえで賃貸もしくは区分所有での売却を考えている。そして最終的なゴールとしては、中古物件のリノベーションだけではなく、用地を取得して新築の賃貸マンションを建築・販売するというデベロッパー的な事業までを見据えている。
「これまでのシェルフアソシエイツは、私個人のノウハウや技術で行ってきた、言わば私にしかできないような業務が中心でした。ですが、おそらく物量的にも、自分だけでやれる限界というのはあると思います。もちろん、これまでのコンサル的な事業は続けていきますが、新たな事業の柱をもう1本構築し、今後は組織としての事業を大きくしていきたいと考えています。そのためにも、まずは新たなスタッフを増やす予定です」(坂口氏)。
同社は今年3月で6期目を終え、現在は7期目に突入した。これまでを創業期とするならば、これからは新たな事業への挑戦を行う第2創業期という位置づけだ。ますます活躍の幅が広がっていくであろう同社の今後に期待したい。(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:坂口 敬司
所在地:福岡市中央区赤坂1-14-22 センチュリー赤坂門ビル4F
設 立:2010年5月
TEL:092-714-7001<プロフィール>
坂口 敬司
熊本県生まれ。九州芸術工科大学大学院修士課程修了。1級建築士、1級建築施工管理技士。(株)住友不動産、(株)電通九州を経て、2010年に独立し、(株)シェルフアソシエイツを設立。代表取締役を務める。法人名
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