基本姿勢の遵守と勤勉であること(後)
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進興設備工業(株)
先輩社員の教え
同社が強い企業体質を有し、地場業界をリードする高い品質と技術力を提供することで、顧客からの絶大な信頼を得ているベースは、人材育成にある。
同社は、1年おきに新入社員を2~3名採用している。その新入社員は、那珂川町にある社員寮に入寮することが原則である。常時10名の社員が、社員寮で生活を共にしている。自宅が同社から近くでも最低1年間は、寮に入る。その理由は、「先輩社員から、社会人としての姿勢を学んでもらうことが一番です。社会人のイロハを先輩社員が教育するのです。そして、我が社の仕事についてもしかりです。1年おきに採用しているのは、じっくりと先輩社員から学ぶ時間を確保して、我が社の『基礎』をマスターしてもらうことが狙いです」(大野代表)と、新入社員時に社会人としての基礎力を徹底して身に着けてもらうことを、主眼にしている。内容は、「特別なことでなく、学生と社会人との違い。挨拶やマナー、人との接し方、仕事への取り組み方、仕事に対する姿勢などです」(大野代表)と、どの企業でも取り組んでいるようなものだが、同社では常時周知徹底して、体に染み込ませるまで実施する。
たとえば、マンションの改修工事の現場に行けば、住民と会う。その住民に挨拶をする。部屋に入れば履物をそろえるなど、日常の行動として当たり前のことを確実に行うことこそ重要であるという。そして、先輩社員に聞くという姿勢を持つこと。『待ち』の姿勢では、進歩しない。自ら学ぶ姿勢の大切さを伝える。これらの基礎力の徹底が、同社の高い品質と技術力の礎となっている。
基本姿勢をいつも大切に
大野代表は、先輩社員そして上司となる者が、新入社員や後輩、直属の部下の成長を見届けることを、確実に実践することを求めている。「一方的に教えるだけでなく、後輩や部下の成長を見届けることが、自らの成長に直結することを日頃から言っております」(大野代表)。この先輩・後輩、そして上司・部下の相互関係の構築により、社内の風土がより明るく活気に満ちたなかで、仕事場の環境がつくられている。何よりも大野代表自らも、社員各人に声がけすることが多いという。
そして何よりも同社は、一同が勤勉である。それは『朝を制する』という伝統を、経営の基本に据えたことで、より鮮明になった。今日に至り「役員会議は朝5時半開始」「女性スタッフの朝7時出社」「技術部隊の7時現場到着」等々が受け継がれている。『朝を制すれば、一日を制する』という企業原理は、同社成長の原動力だ。
大野代表は、すでに次の世代への承継を見据えている。日々の経営と並行し、経営幹部とのコミュニケーションを活発にし、後進の指導を実践。協力専門工事業者との技術勉強会・研修会も充実している。
「仕事の道具を大切にする、モノを大切にするという姿勢で、週1回の点検を行う。倉庫の整理整頓を常に行うことなど、すべてにおいて基本を大切にすることです。品質や技術を高め、磨くことでお客さまの役に立つこと。その原点は、仕事に取り組むための基本を大切にすることです」(大野代表)。仕事の本質を一番大切にする同社は、トップ自らが実践し全社一丸となって体現している。同社の風土は、いつの時代も伝承されていくことが確信できる。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:大野 史朗
所在地:福岡市南区玉川町4-2
設 立:1959年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-551-6883
URL:http://www.shinkoh-s.com<プロフィール>
大野 史朗
2013年4月に生え抜きの工事部長から4代目の代表取締役に就任。「舩津イズム」を実践し地場でも有数の設備工事業の同社を牽引している。法人名
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