11月会頭選の久留米商工会議所 4選目指す本村氏の資質を問う!(中)
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衆議院福岡6区の補欠選挙(10月23日投開票)が注目を集めるなか、県南の中核都市・久留米市で、久留米商工会議所の議員選挙が行われている。焦点は、その後に予定されている新役員選任のための臨時議会総会。4選を狙う現会頭の本村康人氏に対する不満が噴出し、リーダーとしての資質のなさを的確に指摘する文書がばら撒かれる異常事態となった。
実質倒産 銀行OBの管理下に
本村氏が今年3月まで会長を務めていた本村商店は、1891(明治24)年に本村安五郎氏が缶詰製造を行ったのが始まりとされる。その後、食料品と酒類卸に業態変更し、1953年10月に現在の酒類問屋となった。業歴125年の老舗企業である。だが、近年の飲酒運転の取り締まり強化と大規模な自然災害などにより飲酒自粛ムードが蔓延し、酒類業界の勢いが低下。これと共に同社の業績も下降。業界環境が悪化するなかで同社は安定した業績を維持できず、2010年3月期決算では、売上高19億4,419万円に対し最終利益が▲2,467万円。有利子負債は、短期借入金7億3,400万円、長期借入金5億5,029万円の合計12億8,429万円と借入依存率80%超、借入金月商倍率約8カ月に達した。その後も減収と赤字決算により下降線をたどる状況が続いた。
本村氏が久留米商工会議所の会頭に就任したのは、業界も会社も下降気味となっていた07年11月。その頃から「赤字企業の代表が、久留米経済界のトップで良いのか?」という厳しい意見があったことは言うまでもない。
さらに13年12月、本村氏が本村商店の社長職を退任し、代表権のない会長となることが発表された。代わって社長に就任したのは、岩﨑敏幸氏。元久留米ガスの社長だった人物を社長に据えたことに、地元では驚きの声が上がった。
岩﨑氏は、筑邦銀行の佐藤清一郎頭取に近い人物で、本村商店再建のために同行が送り込んだ。また、昨年8月には筑銀OBの宮崎研二氏が代表取締役に就任(今年3月退任)していた。
さらに今年4月28日、同社は株主総会を開き、岩﨑敏幸氏が会長に退き、新社長に同社副社長の下川拓真氏が就任する人事を発表。本村氏は同社会長を退任することとなった。下川氏も筑銀OB。同社は岩﨑体制となってから、2期連続で営業黒字を確保したことから、下川氏にバトンを渡したとされる。(つづく)
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