2024年12月04日( 水 )

不動産再生で新事業 オーナー負担ゼロの「ゼロリース」(後)

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(株)トリビュート

不動産再生の新サービス・「ゼロリース」開始

tr3 不動産再生事業には、不動産に関する幅広い情報網と見識が必要だ。また、権利関係が複雑に絡まるケースも多く、強い交渉力が求められる。同社は、情報力と交渉力を武器に、これまで手がけたすべての再生案件を成功させてきた。実績を重ねるなかで、「価値が眠っている不動産がまだまだ数多く存在していることはもったいない」と感じていた田中社長は、新サービスの開発に乗り出し、既存の不動産オーナーが同社のパートナーとなる「ゼロリース」を開発した。

 「ゼロリース」とは、築年数が古く空室が目立つケースや、相続により収益物件を取得したが不動産経営に不慣れなケース、改修工事したいが資金が足りないケースなどに、オーナー負担ゼロで同社が資金を投入して改修。収益性の高い不動産に再生させるというもの。オーナーと同社が最長10年の賃貸借契約を結び、固定賃料を同社が支払い、上回る収益を同社が受け取る。契約終了後は、再生された不動産をそのままオーナーへ返還する(再契約も可能)。

 つまり、物件オーナーは、所有権の移転なしに安定した賃料を受け取ることができ、契約終了後は初期投資ゼロで資産価値の向上した不動産がそのまま返還されるというオーナーにとっては至れり尽くせりのサービスだ。これまで福岡市や長崎市、大坂市などで数多くの不動産再生を成功させてきた、同社ならではの新事業と言える。

情報の信用力を担保する「オーダーメイド仲介」

 これまでの不動産業界では、真偽の定かでないおとり情報や情報のバラマキなど、業界の信用低下につながりかねない業界慣行が続けられてきた。田中社長は、「売主、買主にとっての不利益は業界の不利益になる」と、これまで確実な情報を流通させるためのサービス開発を考え続けてきた。数々の失敗を経て得た知見から、新サービス「オーダーメイド仲介」を開発。これは、売主と専任媒介契約(※)を結ぶことで、情報の信用力を担保し、オリジナルのオーダーシートを用いた丁寧なヒアリングにより適正に不動産の価値を審査。ネットワークを活かして全国の仲介業者と連携し、あらゆる条件を精査した後に適正な買主とマッチング。必ず売主側1社、買主側1社とする透明性のあるシンプルな取引を行うというもの。将来的には、国内だけでなく海外の不動産も手がけていく予定だという。

 売主と買主、仲介業者、入り交じる権利関係などから、不動産取引は複雑化する傾向にあった。とくに、都市部の不動産はその傾向が顕著に現れ、価値が眠ったままの不動産も少なくない。「確実な情報でシンプルな取引」にすることで、同社は信頼を得てきた。このビジネスモデルを自社外にも広めるための方策が「ゼロリース」と「オーダーメイド仲介」だ。15年2月には東京支店を開設した同社は、すでに関東で不動産再生事業に着手。日本一の不動産マーケットである東京は、眠っている価値も相対的に大きく、同社が果たす役割の重要性も高い。

 実績豊富な「不動産再生」に「ゼロリース」「オーダーメイド仲介」が加わり、事業の幅が大きく広がった同社が、日本の不動産市場に新風を吹かしてくれることを願う。

※売却活動の全般を1社に任せる契約

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中 稔眞
所在地:福岡市博多区博多駅前3-27-24 博多タナカビル8F
TEL:092-292-2313
東京支店:東京都港区虎ノ門2-9-14 郵政福祉虎ノ門第一ビル7F
TEL:03-6257-3801
設 立:2009年4月
資本金:1,000万円
URL:http://tribute-company.jp

<プロフィール>
田中 稔眞
1980年8月12日生まれ、福岡市出身。不動産会社を経て2009年に(株)トリビュートを設立し、代表取締役に就任した。趣味はマリンスポーツ。

 

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