久留米商工会議所の会頭選迫る!(1)~歴代会頭はそうそうたる顔ぶれ
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11月1日、久留米商工会議所の議員総会が行われる。同日、議員を含めた会員のなかから会頭、副会頭らが選挙によって選出され、議会の承認を経て決まる。注目は、現会頭の本村康人氏の四選。3期9年の任期を務めてきた本村氏は今年3月、(株)本村商店の会長を退任したばかりだ。四選への出馬に意欲を見せる本村氏に対して、議員らの評価は分かれている。
久留米商工会議所は明治32(1899)年3月、久留米商業会議所として設立された。以後、久留米商工会議所に名称を変更し、戦後の再建を経て現在に至る。117年の歴史を有する同会議所は全国56番目、九州では6番目の設立であったが、県庁所在地以外の都市では九州で初めてだったとされる。
同会議所は創生期に久留米を代表する企業であるブリヂストンの創業者・石橋正二郎氏の兄・徳次郎氏が務めたほか、その後、同社の龍頭文吉郎氏や、田中藍(株)の田中宗氏らが務めた。
近年は筑邦銀行の三島重人氏、前川博氏が長らく会頭を務めたが、2007年10月、前川氏は会頭を3期務めて勇退した。その後の会頭選挙で、当時の副会頭だった本村康人氏(当時、(株)本村商店社長)と二又大榮氏(当時、久留米運送(株)社長)とが一騎打ちを行い、会頭の座を勝ち取ったのが本村氏だった。本村氏のリーダーとしての力を評価されたのが当選理由と言われている。
各地の会頭の面々
07年11月、晴れて商工会議所の会頭の座を手にした本村氏だが、間もなく会頭としての3期9年の任期を終える。
だが、地元の企業経営者の間では、久留米には、福岡のみならず日本を代表する企業が存在するなかで、本村氏が「久留米経済界のトップのままでいいのか?といった議論が水面下で飛び交っていた。そこで他の商工会議所の会頭を見てみると、いずれも地域を代表する企業の名が並ぶ。たとえば北九州商工会議所の利島康司会頭は(株)安川電機の元社長。会長職を経て、現在は特別顧問を務める。
また、福岡商工会議所の磯山誠二会頭は(株)西日本シティ銀行の代表取締役副頭取である。鹿児島商工会議所の岩崎芳太郎会頭は観光大手のいわさきグループのトップとして有名だ。売上高は安川電機4,100億円、西日本シティ銀行1,500億円、いわさきグループ約500億円と、そうそうたるメンバーである。一方の本村氏は9年前の会頭就任当時から自身が社長を務めていた(株)本村商店の経営内容は芳しい状況ではなかった。決算数字が判明している2011年3月期は売上高18億8,600万円に対し、最終利益は2,945万円の赤字だった。こうしたことから、人口30万人の中核市の久留米経済界のトップが本村氏で本当に良いのか?といった話が出てきたと思われる。商工会議所会頭が大企業でなければならないわけではないが、規模が小さくてもきちんと自身の会社経営がうまくいっていれば、そのような声は聞かれなかったのかもしれない。
本村氏の会頭就任中は、「商工会議所の会頭の職務より、自分の会社を立て直す方が先」といった声が出ていたのも言うまでもない。
(つづく)
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