韓国は地震安全地帯ではないのか?(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
筆者は1981年に日本に留学に来て、生まれて初めて地震を経験した。地震の後遺症だったのか、夏休みに韓国に戻ったときにも、私は床が揺れているような錯覚をするほど、当時は地震のショックが大きかった。
その後、日本に住むようになって地震に慣れたせいか、少々の地震が来ても私は平気になった。人間は知らないことに対して恐怖を覚えるが、私は日本に来て、地震は少し揺れてから、しばらくすると止まるということがわかったため、地震が怖くなくなった。
ところが、出張で日本に来ていた韓国人の反応は違っていた。地震に対して、ものすごく驚いたりした。自分は慣れていたので、韓国人のそのような光景に出会うと、少し異様にも感じられた。私の知り合いで、日本を知れば知るほど日本は素晴らしい国で、日本に住みたいと言っていた人がいた。しかし、その人も日本に地震がなければそれを実行に移したいが、 日本には地震があるので残念だと言っていた。今まで、日本は地震が頻発して住みにくい国で、韓国は地震がないので本当に幸せだというような話を、韓国でよく聞いていた。実際、東日本大震災が発生したときには、地震がなく安全で、かつ日本からも近い韓国を求めて、日本人が釜山などにマンションを購入したという噂が流れていた。
ところが、今年9月12日、夜8時32分頃、新羅の都として知られている韓国の慶州(キョンジュ)で、マグニチュード5.8の大地震が発生した。また、その1時間くらい前には、マグニチュード5.1の地震が発生していた。韓国では、大きな地震はほとんど発生しないと思われていただけに、今回の大地震のショックは、韓国社会に衝撃を与えている。
今回の地震は、済州島を除く韓国全土で感じられた。そのため、映画の上映が中止されたり、棚から物が落ちて壊れたり、高層マンションではマンションが大きく揺れるといった、怖い体験をした。
今まで韓国では、身体で体感できない微弱な地震はあっても、大地震は起きないと皆が信じていた。ところが、今回の地震は後遺症を患うほど、地域住民に与えるショックが大きかった。とくに専門家を中心に、韓国は地震安全地帯ではなく、マグニチュード7くらいの強震が発生する可能性があるという主張もあり、地震の対策を求める市民の声も高い。地震は、他の自然災害に比べ、予測が難しいので怖い。洪水や台風などの自然災害はだいたい予測できるが、地中や海中の研究はまだまだであり、地震の予測は難しい。また、地震は火災をともなうことが多いため、余計に怖い。
地震は、大きな大陸プレートが互いに押し合い、力が溜まると、断層が壊れることで発生する。断層が大きければ大きいほど、地震の可能性は高くなる。それから、地震が1度発生した断層を「活性断層」という。この活性断層は、また地震が発生する可能性が他より高い。
日本の場合には、断層と活性断層が多いだけでなく、太平洋プレート、北米プレート、フィリピンプレートの境に位置しているので、地震が多発する。しかし、韓国はユーラシアプレートの内側に位置しているため、比較的に地震には安全な地域であると言われていた。しかし、韓国でも大きな地震が起きる可能性は排除できないという主張する学者もいる。地質学者によると、最近、震央が東から西に移動しつつあるとのことだ。東日本大震災以降で震央が移動し、今回の地震が発生したという主張である。
(つづく)
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