業界の先駆者として環境改善を牽引(後)
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(株)松本組
インフラの品質確保と整備の重要性
「インフラの品質確保とその担い手の確保を実現することを目的とした『担い手三法』が成立されましたので、法に沿って意識を変えていく必要があります。とくに公共工事に関してですが、我々の顧客は税金を納めた国民だということを意識しないといけないと思います」(松本社長)。同社も公共工事を手がけており、実直で丁寧な仕事を行うことで実績と信頼を積み上げてきた。バブル期には、好景気な民需で事業展開し、生活に密着した公共事業に目を向けない企業もあったなか、「役所にご迷惑をかけない」を合言葉に、公共事業をきめ細かく完成させていった。地場業界の先駆者として、地域社会の発展への貢献に全力を注ぐ、同社の姿勢を表す事象である。
建設業界はインフラ整備に大きく関わる業界である。しかし、その生活空間を支えるインフラそのものが老朽化していくのも確かである。例えば下水管も敷設して50年を経過したものは耐用年数を超えたものとして、整備しなければならない。いつまでも使えるものではないのだ。「これから各インフラの耐用年数に沿って、メンテナンスをしなければなりません。そしてこのようなメンテナンス工事は、これから多くなることでしょう。コンクリートの耐用年数は約150年と言われています。そのスパンの長さゆえ、劣化の見落としがないように、建設してきた我々が目配り・気配りしていくことが必要と思います」と同社はインフラにおけるメンテナンスの重要性を提言している。
現在、福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山地先に多目的ダムとして五ケ山ダムが建設されている。これは那珂川総合開発の一環で、一級河川を持たず、長年渇水都市として揶揄され、水不足に苦しんできた過去を持つ福岡市にとって、悲願のプロジェクトである。事業主体は福岡県で、そのほか福岡市、福岡地区水道企業団、春日那珂川水道企業団が名を連ねる。総工費は約1,050億円とされ、完成は2017年度を予定している。
この建設工事に同社もJVで参加している。重力式コンクリートのダムは総貯水量4,020万立方メートル。隣接する南畑ダムの総貯水容量が600万立方メートルと比べてもかなりの大きさだけに、当初から難工事が予想された。「たしかに難しい工事です」と松本社長。このダム建設に同社の高い施工技術が反映されているのだ。それは、優れた品質と公共工事に対する高い意識を持つ同社の想いと、これからの建設業に対する積極的な取り組みの賜物と言えよう。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:松本 優三
所在地:福岡市東区馬出1-1-19
設 立:1966年5月
資本金:1億円
TEL:092-651-1031
URL:http://www.matsumotogumi.co.jp<プロフィール>
松本 優三
1957年、福岡市生まれ。明治大学商学部卒業後、81年に(株)松本組へ入社。90年に常務取締役、93年に代表取締役副社長を経て、94年に代表取締役社長に就任。法人名
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