指導員にはすべて正社員を配置 責任ある指導で社会貢献(後)
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リーフラス(株)
中学校の部活支援をスタート
同社は新たに中学校の部活支援という事業を展開した。大阪市と東京都杉並区ですでにスタート。大阪市からは、モデル事業として委託を受けたのが始まりだ。大阪市立高校で、部活顧問から体罰を受けた男子生徒が自殺した事件などを踏まえ、スポーツ指導を民間のプロに任せた方が良いのでは、という考えからのものだった。そして15年9月に本格的にスタートし、市から指定を受けた中学校の陸上部の技術指導や部活運営を受託した。陸上競技を専門とする人材を派遣し、短距離や長距離から、投擲に至るまで各陸上競技の専門技術から、コンディションの整え方まで総合的なトレーニングを手がけている。
東京都杉並区立和田中学校では、民間出身の校長を公募していた。杉並区は、小学校を卒業して私立中学校に入学するケースが増えており、区立中学校への入学者数が減っている現状がある。そこで教育環境を充実させて生徒を呼び込むべく、学力と部活の両方に力を入れ、その両立を掲げた。教育は学校の先生が、部活は民間が担う。民間に委託することでより良いものができるのではないか、という発想からだった。同社の社員が訪問した際、「剣道と野球の専門指導者が欲しい」との声が聞かれた。
今、新たに名古屋市でもスタートしようとしている。中学校の部活支援をきっかけに、中学生向けスクールの事業展開も視界に入りつつある。
スポーツを通じ社会貢献へ
同社はさらに、高齢者の健康支援も手がけようとしている。高齢者施設に社員を派遣し、「転ばない」体操を行う。高齢者の転倒事故が圧倒的に多いからだ。若い人材が壇上に立ち、高齢者の身体面と精神面の健康をサポートする。これまで試験的に進めてきたなか、いよいよ本格始動する。「17年度の大きな目玉となる」と永冨氏は語る。
福岡では今後、行政との連携が要となる。福岡市の推進する「放課後等の遊び場づくり事業(わいわい広場)」は、放課後等の学校施設を利用して、子どもが安心して自由に遊びができる場や機会をつくるものだ。親の共働きが増えるなどして、子どもの放課後の過ごし方が1つの課題となっている。同社はそのなかで、子どもの見守りを受託している。「そこから地域の抱えるスポーツの問題の解消や、他地方自治体のように中学校の部活支援、あるいは小学校の体育の授業などで高齢の先生の補助をするといったように、公共における役割を大きくしていきたい」と永冨氏。体育館や運動施設などの指定管理施設でも活躍の場があると見る。
子どもたちにスポーツを好きになってもらう。それが同社の目的の1つだ。スポーツへの入口の役割を果たすと同時に、「やってみたい」という子どもの気持ちを後押しする。障がいを持つ子どもを断るスポーツクラブが多いが、保護者としては他の子と同じように見てもらいたいというのが本音だ。同社では適性を見ながら、できるスポーツを紹介してなるべく受け入れる。みんながレギュラーという考えで、何よりも助け合う協調性に力を入れる。「私の感覚では、好きになれば上手にもなる。好きになってもらうことがとにかく大事なんですよ」と永冨氏は笑顔で語る。スポーツの世界では、いまだ体罰や暴言といった暴力が子どもに浴びせられている。「今のスポーツの現状を正常にしたい。みんなが楽しめるかたちにもっていきたい」というのが同社の願いだ。一企業として営利追求も当然ながら、スポーツの持つ問題や課題を国や地方自治体と組んで解決していく。そうした社会貢献を目指して同社は動いている。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:伊藤 清隆
所在地:東京都中央区日本橋本町3-7-2 MFPR日本橋本町ビル5F
西日本本社:福岡市博多区博多駅南1-15-22 シノケン博多ビル8F
設 立:2001年8月
資本金:1億円
TEL:03-5614-2010
URL:http://www.leifras.co.jp<プロフィール>
伊藤 清隆
1963年11月21日生まれ、愛知県日進市出身。琉球大学教育学部卒。教育関連企業の九州支社長を経て、2001年8月にリーフラス(株)を設立。法人名
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