2024年12月22日( 日 )

ニーズとともに変化する金属加工のあり方(後)

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リョーユウ工業(株)

社員自ら考えて仕事を進める

ryoyu 「以前、ISO(国際標準化機構)による品質マネジメントシステムを取り入れたこともありました。しかし、一定の基準を保つことが使命のようになり、マニュアル以外の面で成長が見られなくなるというデメリットも感じられました。もちろん、高い品質を保つという面ではメリットもあるのですが、それだけではお客さまからのさまざまな要望に対処できなくなると思い、ある程度、中間管理職の社員たちにオリジナルの仕事の進め方を考えさせたりもしています。そのなかで自分たちが感じ取った良かった点、悪かった点を精査し、次に活かしていく力をつけさせていきたいですね」。そう語る裕氏の言葉の節々からは、厳しさのなかにも優しさが垣間見られる。

実績の見える化でモチベーションアップ

 同社は個人の実績の見える化を図り、社内の不公平感の是正にも取り組んでいる。「頑張ったら頑張った分だけ、社員にはフィードバックしたい」という経営陣の思いから始まったこの取り組みについて、裕氏は「目に見えない部分、見える部分、過程と結果を考慮するのは大変難しい作業ですが、試行錯誤をしながらかたちにしていきたいです。それが経営者の務めでもありますから」と語る。

 堅実な請負業から創造性に富んだ提案型の営業スタイルへと舵をとり、変革期を迎える同社。そんな同社が求める人材は、「就職未経験の学生はともかく、今は中途採用の人材でも、基本的な社会のマナーがわかっていない方が多いように思います。基本ができないようでは応用が効きません。最低限、そういった基礎が身についている方と一緒に働きたいですね。また、学生は大企業の平均給与ばかりを参考にせず、まず自分がどこの企業でどういう成果を上げられるか。また、それに見合う働きができるかという見極めをしっかりとしてもらいたいですね。企業・業種に関わらず、社会で活躍できるのは、『自分がこれからどうなりたいか!』という明確なビジョンと自己分析がきっちりできる人材だと思います」(裕氏)という。

 人材育成に注力する同社だからこそ出てくる、これから働く若者たちへのエールのようにも聞こえるコメントだ。今後、ますますスピードとクリエイティブ性を求められる時代がやって来る。そんななかで生き残っていけるのは、同社のような企業で成長を遂げていく人材だろう。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:諸石 裕
所在地:福岡県糟屋郡宇美町障子岳南5-3-5
設 立:1972年6月
資本金:1,000万円
TEL:092-933-6811
URL:http://www.ryo-u.com

<プロフィール>
moroisi諸石 裕
1971年生まれ。95年4月に同社に入社し、99年3月に代表取締役社長に就任。ブログ「リョーユウ日記」を不定期で更新している。趣味はドライブ。

 
(前)

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