管理組合理事長が語る鹿島建設マンション建替え訴訟(3)
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目に見える数々の施工ミスや手抜き
――先程、「鹿島建設が、図面に明記された梁を30カ所も施工していない」と言われましたが、これは、どういうことでしょうか?
寺崎 先程、話したように、鹿島建設が施工をしていない梁は、外部避難階段とマンション本体を接続するための梁です。外部避難階段が自立できない構造となっているので、地震時には、梁とスラブによって建物本体に支えてもらう構造になっているらしいです。この梁を、鹿島建設が施工していないので、大地震の際に、外部避難階段が倒壊し、周囲に被害をもたらす他、マンション住民も避難ができなくなってしまいます。それほど重要な梁を、何故、鹿島建設は施工しなかったのか? 裁判においては、裁判長から鹿島建設の代理人弁護士に対して、「鹿島建設は、現地で、梁の有無を確認するように」と指示を受けましたが、鹿島建設は、未だに、梁の有無を確認しようとしていません。当然です。現地を見れば、そこにあるはずの梁がないのですから。
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――鹿島建設の施工ミスや手抜きは、他にもあるのですか?
寺崎 裁判において、河野聡弁護士による準備書面や、仲盛氏や星野氏による技術意見書でも指摘している通り、鉄筋のかぶり厚さが不足しており、建築基準法施行令に違反しています。酷い箇所では、かぶり厚さがゼロで、鉄筋が露出しています(画像1)。また、コンクリートの中に木片などの異物が混入しています(画像2)。台湾の地震で倒壊したマンションで、柱の中に一斗缶が詰め込まれていた衝撃的な映像がありましたが、これと同様の状態です
さらに、コンクリートの中性化が極端に進んでいます。酷い箇所では中性化が64mmに達しており、完全に鉄筋に到達していて鉄筋の腐食が進行しています(画像3)。
コンクリートの塊が脱落したことがあります(画像4)。表面の仕上げモルタルであれば、危険性は低いかも知れませんが、梁の下、4分の1ぐらいが脱落したことがあります。幸い、下に人がいなかったのですが、頭などに当たっていれば、怪我で済まなかったのではないかと、ゾッとしています。
仲盛氏によると、梁の断面が、これほど欠損すれば、この梁は、設計通りの耐力を有していないということです。
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(つづく)
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