長崎玉屋跡97mマンション建設計画の足元揺らぐ?~特殊な土地の形状
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新大工町に長崎県下最大マンション?
長崎市新大工町で計画されている再開発事業に異変発生か。今年9月12日の長崎市の都市計画変更手続完了からわずか8日後、再開発事業区域の一部の地権者が土地を売却。新たに地権者になったのは、香川県高松市のデベロッパー・穴吹興産(株)。売ったのは、代表(理事長)が再開発準備組合の副理事長を務めていた新大工町市場協同組合だ。売り買いされた土地を調べると、再開発事業を左右しかねない特殊な形状であることがわかった。
2014年2月に閉店したデパート「長崎玉屋」(長崎市新大工町3番35号)と、その周辺区域で進められている再開発事業は、六本木ヒルズや表参道ヒルズなどを手がけた森ビル都市企画(株)がプロデュースすることになり、話題となった。同組合理事長の児島正吾氏は取材に対し、「現在は、デベロッパーを選定中」と話す。再開発準備組合は、16年度内に本組合へ移行し、17年度の着工、19年度の完成を目指す方針だ。
9月12日の都市計画決定では、容積率の緩和による高度利用の変更とそれにともなう市街地再開発の変更と地区計画の決定がなされた。この際、「長崎玉屋」周辺の「北街区」に建設される商業・業務施設、集合住宅、地下駐車場で構成する複合施設は、地上24階建の高さ97mで計画されている。計画通りに完成すれば、現状、長崎県では、長崎市旭町の「タワーシティ長崎」(タワーコート)の高さ95mを上回る。高さについては、「選定されたデベロッパーとの間で決まる」(児島理事長)という。
約18m2の土地が再開発事業区域を分断!
こうしたなか、波紋を広げているのが、「長崎玉屋」の1階部分にある新大工町市場の土地の売却である。土地登記簿によると、新大工町市場協同組合が所有していた同市場の土地計927.11m2を、9月20日付で穴吹興産が売買で取得。土地は4つに分かれており、そのうちの地番101の土地は、「長崎玉屋」部分(地番105)の1,588.18m2に沿う形で細く伸びている。その面積はわずか18.16m2だ。(地図参照)
穴吹興産は、再開発事業にデベロッパーとして参加する意欲があったが、第一次選考で落選したとのこと。しかし、市場以外の「北街区」は、地番101の土地が楔(くさび)となり、ちょうど「長崎玉屋」と他の区域を分断している。穴吹興産が抜けた場合、「長崎玉屋」が周辺区域と一体となった再開発は不可能になるだろう。はたして、穴吹は、一地権者として本組合に参加するのだろうか。
【山下 康太】
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