福岡市交通局の工事成績採点ミス 請負業者から怒りの声
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データ・マックスの指摘によって福岡市交通局の工事成績評定に採点ミスが見つかった問題をめぐり、先月28日、市が市全体の工事成績を修正したことを発表した。発表によると、発覚した誤りは2011年度以降の同局発注工事348件中24件にものぼった。入力ミスなど、ケアレスミスが誤りの主な原因。実際よりも減点されていた採点もあり、企業努力が正しく評価されていなかったことになる。修正通知をもらった業者の怒りは収まらない。
10月28日、福岡市交通局が発表した「工事成績評定の修正」。マスコミは大々的に報じないものの、この発表に請負業者は心底怒っている。実際の工事成績が、採点ミスにより減点されていた工事業者はもちろん、採点ミスがなかった工事業者も同様である。「工事業者は予算、日程など厳しい環境で公共工事を請け負っている。その仕事が評価されて、点数になる。計算ミスがこんなにあるとは・・・」「交通局と我々工事業者の、工事に対する意気込みの違いを感じる」といった怒りの声ばかりだ。なかには、交通局のお詫びを拒絶する工事業者さえいる。
怒るのも当然だ。工事業者にとって、工事成績は客観的に工事の品質を表す大事な指標であり、この数字が下がれば、その後の入札参加資格を失う可能性さえあるからだ。そのため、工事業者は費用や時間と戦いながら、少しでも高い点数を目指すのである。人生を左右する「受験」と同様、企業にとっては、その後を左右する重要な査定が工事成績なのである。
今回、採点ミスで入札参加資格を失っていた業者はおらず、交通局は事なきを得た格好。しかし、1点、2点差で窮地に追いこまれる企業があってもおかしくない事態だったことは確かだ。杜撰な査定を放置してきた交通局の無責任さには呆れるしかない。ここで、交通局、市長事務部局、水道局の3局が発表した修正件数を見てみよう。
発表によると、2011年度以降、交通局、市長事務部局、水道局合わせて、1万175件の工事成績を再チェック。結果、誤りが計36件見つかっている(発生率0.35%)。その内訳を見ると、交通局348件中24件(同率6.89%)、市長事務部局8,345件中10件(0.11%)、水道局1,482件中2件(0.13%)となっており、明らかに交通局のミス発生率が高い。ほか2局と比べても、突出している。3局は同一システム(福岡市請負工事成績評定要領)に基づき採点していることから、交通局の修正件数が多い理由は徹底究明されるべきだろう。そこに特別な事情はないのか――?
【東城 洋平】
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