シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(10)~九州地銀行の16年9月期(中間)決算を検証する(1)
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メガバンク3行も大幅減収。九州地銀も同じ傾向が顕著だ。『金を貸して収益を挙げる』のが、金融機関のビジネスモデルの基本だ。この基本を創造したのが、日本銀行・黒田総裁である。同氏の魂胆が『銀行を潰し資本主義国家・日本を破綻させる』ことかどうか定かではない。金融機関の皆さん!!黙していたら黒田総裁から潰されますぞ!!
10月3日、西日本フィナンシャルホールディングス(以下FH)が発足した。西日本FHは西日本シティ銀行(福岡市)と長崎銀行(長崎市)を主体に、西日本シティTT証券、九州カード、西日本信用保証などを傘下に置く金融持ち株会社である。
西日本FHの会長兼西日本シティ銀行会長に、久保田勇夫氏 (修猷館高校・東大法学部卒。旧大蔵省出身。73歳)。社長兼西日本シティ銀行頭取に、谷川浩道氏(修猷館高校・東大法学部卒。旧大蔵省出身。62歳)が2014年6月に就任しており、当面旧大蔵省(現財務省)の影響力が続くことになりそうだ。今後、経営の厳しい九州の第二地銀を中心に経営統合を進め、勢力を拡大していくものと見られている。
かつて福岡銀行の頭取は日銀出身者が占めていた。しかし2005年4月にプロパーの谷正明頭取(現会長)が誕生。2007年4月、福岡銀行と熊本銀行が経営統合し、ふくおかFGがスタート。同年10月1日付で親和銀行(長崎県佐世保市)を子会社化し傘下に加え、3行体制に移行した。
2014年6月にプロパーの柴戸隆成頭取(修猷館高校・慶応大経済学部卒。62歳)が就任しており、今後もその体制を維持するものと思われる。ふくおかFGは、発足からずっと総資産で地銀トップの座を占めていたが、今年4月に横浜銀行と東日本銀行が経営統合してコンコルディアFGが発足したため、その座を失うことになった。
しかし、来年4月をメドに十八銀行(長崎市)と経営統合し、翌18年4月には同じ長崎県に本店を構える親和銀行と十八銀行は合併を予定。再び地銀トップの座を奪い返すことになりそうだが、最近は首都圏を始め全国各地で地方銀行の金融再編が進んでおり、安泰とは言えないようだ。昨年10月1日、肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合し九州FGが誕生。ちょうど満1年を迎えた今年10月3日に西日本FHが誕生。これによって九州に本拠を構える金融持ち株会社は、ふくおかFG、西日本FH、九州FGの3つとなる。柴戸隆成福岡銀行頭取と谷川浩道西日本シティ銀行頭取はともに修猷館の同級生。また肥後銀行頭取の甲斐隆博(64歳)氏と鹿児島銀行頭取の上村基宏氏(63歳)はともに慶応大商学部卒。九州における高齢化にともなう人口の減少や地域経済の縮小が進むなか、九州地銀の金融再編は、修猷館卒を含む東大卒あるいは慶応大卒の代表者による三つ巴の戦いが展開することにとなりそうだ。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】関連キーワード
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