『孤児ビジネス』でカンボジアの孤児の自立支援へ(後)
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カンボジア国内NGOサクラ職業訓練校 理事・整体師
西村 繕久仁 氏オフグリッドな生活へ自家発電自給自足
「世の中のシステムはグリッドされています。社会システムから外れたものをオフグリッドと呼ぶのですが、たとえば食品の流通に頼らない、建築に頼らず自分たちでやるという考えをそう言いますね」。
社会から一歩外に出てみる。食糧がないなら自分たちでつくる、エネルギーは自分たちで電気を作るといったものである。太陽光発電と風力発電を組み合わせたエネルギーの自給体制の構築、青果、鶏、魚、豚などは敷地内で栽培および飼育。在来型住宅加えて、土でつくるアースバック建築の併用により、エコビレッジの象徴的な景観をつくり出したい考えだ。また、放射冷却現象などを活用した電気を使わない冷却システムなどを積極的に取り入れることで、これからの発展途上国における、生活様式のモデルの構築にもつなげていく。
西村氏は、福岡の旅行代理店「旅の漫遊」を通じて、引きこもりやニートの子どもたちのためのリハビリツアーを募集していたが、先日1名の申込者があった。「申込みがあったときは嬉しかった。私をはじめとしたスタッフの想いが、ようやくスタート台に乗ったんだと思うと、やる気が出てきました」。リハビリツアーは90日間の日程で、ツアーの3分の1は電気のない「ケップ田中農園」に住み込み、日の出と同時に起床し、日が暮れると寝る生活を送り、生物本来のリズムを取り戻すというプログラムが組み込まれてある。今年10月には、孤児たちのほか、スタッフが住む施設を、アースバック工法を用いてゼロからつくっていく。特殊な袋に土を入れたもので、簡易宿泊施設をつくるというものだ。これは、孤児たちをはじめ、引きこもりやニートたちの社会復帰に向けたリハビリの場にしたい考えだ。
西村氏の考えるカンボジアでの孤児ビジネスは、日本語環境のもとで、孤児を将来の日本とアジアの架け橋になり得る人財へと育成したいという最終的な目標がある。日本は超高齢社会で、主に介護施設では介護スタッフが不足している。西村氏のプロジェクトが将来、我が国に明るい光をもたらすことを期待したい。
(了)
【矢野 寛之】■リハビリツアー
取扱代理店:旅の漫遊
所在地:福岡市東区水谷2-3-15 第一めぐみビル1階
TEL:092-674-2012
FAX:092-674-2013
E-mail:fuk@manyou.biz
URL:http://www.manyou.biz<プロフィール>
西村 繕久仁(にしむら・よしくに)
1957年糟屋郡粕屋町生まれ。
香住ヶ丘高校、修猷館高校、筑紫丘高校などで25年間教育に携わった。在職中に教員の国内留学制度を活用し、長崎大学大学院環境科学研究科にて2年間学ぶ。50歳のときに教師を辞め、現在に至る。関連記事
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