シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(10)~九州地銀行の16年9月期(中間)決算を検証する(2)
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米連邦準備会理事長(FRB)イエレン氏は来月金利引き下げを表明している。今回はトランプ新大統領誕生前に実行しようと決意は固い。いずれにしてもイエレン氏とトランプ新大統領は金融政策を巡って激突することが確定しているからだ。一方、日銀黒田総裁は2年物国債利回りマイナス0.09%、5年物国債利回りマイナス0.04%で無制限に買い取ると吠えている。これでは米国と日本の金利格差は広がるばかりである。金融機関の経営環境はますます厳しくなっていく。
日銀が今年1月29日、2%のインフレ目標達成のためマイナス金利政策の導入を決定したことから、銀行の中でもとくに地方銀行の収益環境は一段と厳しさを増してきている。11月、九州地銀(18行)の中間決算が公表された。
<スケジュール表から見えるもの>
今年11月8日(火)にトップで発表したのは西日本FHだった。10月3日、西日本FHは西日本シティ銀行と長崎銀行を傘下に持つ金融持株会社として発足。
昨年11月の中間決算の発表日トップだったのは、宮崎銀行と北九州銀行(山口FG傘下)の二行で11月6日(金)。
西日本シティ銀行は福岡FGと同じく3日目の10日(火)だった。表はないが16年3月期決算発表のトップは5月9日(月)の大分銀行で、西日本シティ銀行グループは翌日の10日だったのだ。
今回西日本FHがトップで発表したのは、グループブランドスローガンの『ココロがある。コタエがある。』であり、真っ先にそれを実践するためではなかったのだろうか。谷川浩道社長の新会社設立に対する並々ならぬ決意の表れといえよう。皆さまには平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
2016年10月3日、西日本フィナンシャルホールディングスが誕生し、西日本シティ銀行グループは、西日本フィナンシャルホールディングスグループとして新たにスタートしました。~中略~
当グループでは、今後、「お客さま・地域の期待を超えた総合金融サービスの展開」(「マトリックス・マネジメント」の実現)と、「グループ経営管理態勢とリスク管理態勢の高度化」(「モニタリング・モデル」の実現)をグループ経営戦略として展開することにより、グループ総合金融力を一段と進化させ、「地域経済へのさらなる貢献」と「グループ企業価値の最大化」を目指してまいります。
これからも引き続き、時代の変化を先取りし、熱い「ココロ」で、お客さまの期待を超える「コタエ」を提供してまいる所存でございますので、当グループを今後も末永くご愛顧いただきますよう心よりお願い申し上げます。
株式会社西日本フィナンシャルホールディングス
代表取締役社長 谷川 浩道(西日本FHのトップメッセージより抜粋)
最終の発表は翌週14日(月)の九州FGとなったが、今年4月14日午後9時26分と16日未明に九州では初めての震度7の地震が発生。この熊本地震が大きく影響したものと思われる。
中間決算の発表日はわずか1週間の差しかないが、その日程には、それぞれの金融機関の戦略が秘められているといえるのではないだろうか。(つづく)
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