住民から不満の声~公費投入50億円 鹿児島・松陽台県営住宅への疑問(4)
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公費50億を掛け建設された鹿児島市松陽台の県営住宅第二団地。“子育て支援”を謳っているにもかかわらず、整備地を取り巻く状況は子育て環境とは程遠いものだった。詳しい実情を知るため行った現地取材では、「子育て環境に適しているとは思えない」といったお母さんの率直な声も――。改めて、県営住宅に入居している住民の意見をまとめた。
キケンに囲まれた住宅環境
データ・マックス取材班が住民に聞き取り調査を行ったところ、一番よく聞かれたのが「県営住宅としては立地・周辺環境が悪い」という意見だ。
写真は午前10時頃の松陽台。人通りが少ないうえ、周りに住宅はあるものの歩道より高台に位置し、人の目はほとんどないと言ってよい。数分歩くと案内所の看板が見えてくるが、「県営住宅」や「第二団地」の文字はない。県営住宅第二団地があるのは案内所のさらに奥。日が落ちると周囲はかなり暗くなり、子どもが出歩けるような環境とは到底思えない。
以下の写真3枚は県営住宅第二団地の周辺写真だ。1枚目の写真、手前が建設中の三期住宅で、二期、一期と奥へ続いていく。住宅に面した道路のすぐ脇は小川が流れているが、ガードレール以外に侵入を防ぐものはない。注意書きも「キケン」と書かれた立札が一つ建っているだけ。小さな子供ならばガードレールを潜り抜けることは十分に可能だろう。
3番目の写真は一期の住宅の正面に広がる光景である。草が生い茂っていて確認しづらいがほぼ崖のようになっており、非常に危険な場所だ。8割が「子育て環境に適しているとは思えない」
住民に「子育て環境として率直にどのような感想を抱いているか」と聞いたところ、取材に答えた約8割の住人が悪い又は良いとは言えないと回答。周辺環境が悪いという意見を除くと、「未就学児を対象として募集であるはずなのに、近くに小学校や幼稚園・保育園がない」、「何をするにも車が必要で、買い物が大変」、「危険な場所が多く、子供だけで遊ばせられない」などの意見があった。以下、県営住宅住民の声をまとめた。
住民が挙げた「良い点」は一つだけ。『同世代の子供が住んでいるので、遊び相手に恵まれている』というものだった。
(つづく)
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