実は福岡市の広報活動だった!Perfume地下鉄の謎
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あれは一体、何だったのか。10月21日から11月19日まで「Perfume×福岡市地下鉄『Play!Subway』キャンペーン」と題して実施された福岡市交通局の広報事業。内容は、10月1日にスタートした福岡市地下鉄の新しい企画乗車券、家族(二親等内)全員が1日1,000円で乗り放題の「ファミちかきっぷ」、65歳以上は1カ月6,000円で乗り放題の「ちかパス65」、IC定期券「はやかけん」のポイントサービスをPRするというもの。その一環で行われたのが、若者に人気の女性音楽ユニット3人組(広島県出身)の起用だった。
キャンペーンに起用されたのは、ちょうど11月12日に福岡ヤフオク!ドームでコンサートを開催する予定だった「Perfume(パフューム)」。キャンペーンでは、Perfume仕様にラッピングされた地下鉄車両が1時間に1本程度走行し、駅構内には、彼女たちの楽曲が流れ、前出の企画乗車券に関するイメージポスターが貼られた。しかし、彼女たちの活躍?が、企画乗車券を宣伝するものであったことを理解している市民はどれくらいいただろうか。このキャンペーンの費用総額2,095万8,534円の原資は、もちろん市民の血税である。
実際に貼り出されたポスターには、「ファミちかきっぷ」をイメージした家族バージョンもあった。残念なことに、筆者には、Perfumeと企画乗車券がまったくつながらなかった。彼女たちのプロモーション活動だと思っていたが、福岡市地下鉄のPRと知って驚いたくらいである。そもそもPerfumeの3人は65歳以上でもなければ家族でもないので、「はやかけん」以外の新サービスはPerfumeには適用されない。
思わず首をかしげてしまう不可解なキャンペーン。なぜ、そうなったのか。市交通局に情報公開請求をしたところ、プロポーザル方式で行われた選考過程に不審な点が見つかった。
プレゼンテーションには計7社の広告代理店が参加。最優秀提案者に選ばれたのは(株)大広九州だった。以下の資料(評価表)は、提案競技の審査項目と参加企業の点数を表にしたものである。アルファベットが各会社であり、左からプレゼンした順となっている。A社がPerfume案の大広九州、僅差でB社が2位、H社が3位と続く。6名の審査員の配点は以下の通り。
気になるのは(1)の審査員だ。A社に本プレゼンで最高の95点を付け、他に大きな点差を付けている。(1)の審査員は熱狂的なPerfumeファンだったのだろうか。ちなみに(1)以外の審査員の点数を合計すると、1位から順にB社(432)、H社(418)、A社(399)、I社(364)、F社(364)、E社(339)、G社(339)となり、A社は1位のB社と33点差で3位となる。
審査員は福岡市交通局から4名、市長室広報戦略室広報戦略課長、民間企業経営者の合計6名で構成されていた。福岡市交通局は取材に対し、審査員の中立性が損なわれるとの理由で、評価表の審査委員名は公表していない。【木村 尚基】
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