鹿島建設・耐震偽装マンション問題、第三次耐震診断の結果は?(2)
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――耐震診断と構造計算の違いについて説明をお願いします。
仲盛 耐震診断は、建築基準法の改正により、耐震基準が大幅に改正(新耐震基準)された昭和56(1981)年以前に建築確認を受けた建物(旧耐震基準建物)の耐震性を、判断するための検証方法の1つです。当然、その後に設計された建物に適用される新耐震基準は、旧耐震基準よりも一層厳しい基準となっています。それ故に、旧耐震基準で設計された建物の検証に適用される耐震診断は、既存不適格建物の救済措置の意味合いを含んでいるため、一般の設計法よりも、かなり緩やかな規定となっているのです。
耐震診断でも、あるいは、構造計算による検証であっても、安全とされている基準の50%未満の強度であれば、「地震により倒壊又は崩壊する危険性が高い」と、建設省の告示に定められており、倒壊の危険性が高い建物に対しては、行政が、解体を命じることができるのです。――耐震診断や構造計算の結果、安全とされている基準の50%未満の強度であった場合、その建物は解体しなければならないということですね。
仲盛 先ほど述べたように告示でも定められていますが、国土交通省の山本住宅局長が、国土交通省「構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会」において、「地震強度の指標が0.5未満は、耐震改修による対応は困難である」と述べています。
告示に基づき、国土交通省は、Is値が目標値の半分未満の場合は、「補強不能=除却」としているのであり、国土交通省住宅局長の見解が、これを裏付けています。――このマンションの第三次診断の結果では、「補強」はできないのですか。
仲盛 本件マンションの耐震診断で導き出されたIs値「0.116」は、補強することにより耐震性を確保するか、建物を除却するかを判断する目安とされる0.24の半分にも達しない著しく低い数値なのです。このような場合、補強での対応は認められておらず、除却勧告の対象とされるのです。
(つづく)
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