江頭エーザイ、江頭政治の挑戦(前)
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スーパー20年目の大英断
(株)江頭エーザイは8日、「江頭エーザイ本店」(福岡県大川市幡保157)を、リニューアルオープンした。内外装を含めた大規模リニューアルに踏み切り、生鮮テナントにフードウェイグループを入れたほか、セミセルフレジ、電子マネーなどを導入した。ディスカウントストアが乱立する大川市中心部において、健康を武器に差別化を図る。
同社は、医食同源と一心同体をかけた“医食同体”をコンセプトに事業運営を行ってきた。今回のリニューアルも同社のコンセプトに基づいたもの。「美味しく、楽しく、健康」をコンセプトに大規模リニューアルを敢行した同店は、精肉と青果のテナントにフードウェイグループが入った。フードウェイは県内のスーパー業界においても、近年、高質スーパーとして評判の企業。グレードの高い生鮮食品を導入することで他店との差別化を図る。鮮魚のテナントは魚八、惣菜は昭和食品がリニューアル前から引き続きテナントとして入った。グロサリーや雑貨、九州でも指折りの販売実績を誇る化粧品販売などは、従来通り江頭エーザイが担っている。
同店は調剤薬局のほか、整形外科、眼科が入る医療モールを併設する。これは江頭政治社長の父で創業者の故・江頭政男会長が手がけたもの。江頭会長は1936年中国・撫順で生まれ、26歳の時に独立。教材販売業を経て、63年7月、江頭エーザイを立ち上げた。以後、「ビジネスは10年周期で変わる」という経験則から、ビジネスにさまざまなアイデアを取り入れた。
その最たるものが生鮮スーパーへの挑戦だった。20年前、自社が手がけるドラッグストアに併設する形で生鮮スーパーを開業。開業当時は、近隣の住民からは「江頭エーザイに行こう!」が合言葉となるほどの人気ぶりだったとのこと。同社は、今や当たり前となったドラッグストアで生鮮食品を販売する先駆けの企業として業界に認知され、県外の同業者が頻繁に視察に訪れるなど古くから注目されている企業である。
今から20年前、江頭政男会長が生鮮スーパーを導入した際は、ドラッグストア業界の先を見据えてのものだった。「従来の化粧品、薬品に加えて、スーパーを加えて集客できる施設にしたい」。この狙いは見事に当たり、スーパー、ドラッグストア、調剤薬局、化粧品といったカテゴリーで多くの市民の方に認知されていく。
しかし、その後、ディスカウントストアを中心に競合店が乱立したことで状況は一変する。江頭政男会長が昨年3月に逝去し、残された長男の江頭政治社長ほかスタッフらが一丸で事業に取り組んでいた。だが、数年前から競合するディスカウント勢の低価格攻勢により、苦戦を強いられていたのも事実だった。20年前は同社の店舗ほか数店しかなかったが、時代は大きく変わった。売上高も減収傾向となったことで、将来を見据えて大リニューアルを決断した。(つづく)
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