2024年11月24日( 日 )

八女市をハッピーに!太陽光でエネルギーの地産地消目指す(中)~(株)アズマ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

屋根上発電と農業

gaikan 「市内の需要家が自らの電力を自ら生み出す仕組みを積み上げていく仕組みが、八女市には最も適したエネルギーの地産地消モデルになると思います。八女市の市内消費電力をまかなうためには、2万3,000kWの発電設備が必要だと試算しました。この電力で市内6万5,000人、2万4,400世帯をまかなっています。この電力を太陽光でまかなおうとすると、約2km2の面積が必要となります。これは八女市の面積の0.4%です。これだけをまかなうためには屋根上発電で充分という結論に達しました。余剰電力を販売することもできます。メガソーラーに頼らずとも、屋根上の活用でエネルギーの地産地消は実現できるんですよ」。

 屋根上は、いわば遊休資産のようなもの。パネルの設置を行えば発電が可能だ。大規模少数ではなく、小規模多数でエネルギーを生み出すことが、市の主幹産業である農業と共生できるエネルギーの地産地消モデルのベースにあるのだ。
 また、農業が主幹産業である八女市は、いわば土地の広さが農業生産性に大きく関わる。それゆえ、大規模な太陽光発電施設は適さないと中島社長はいう。屋根上に設置するだけで、あとはいつの間にか発電してくれる発電装置こそが、八女市に適しているというわけだ。さらに農家の方は農業での収入のほかに売電で副収入も得られる。そのお金は八女市で循環し、波及効果を生み出す。そうして全体をハッピーにするのが中島社長の構想なのである。

 自ら農業をすることで、農業への参入のハードルを下げたいと中島社長は言う。
 「今年から私たちはグループ会社『アズマックスファーム』でプチトマトの栽培を始めました。ハウス内で利用するエネルギーは太陽光でつくられたものです。私たち素人でも新しい農業を作り出すことができるということをわかってもらう意味もあり、始めた事業です。八女市が潤っていけば、八女市に来てくれる若者も増える可能性があります。その若者たちが農業を主業にできるよう、私たち素人集団でも農業ができると示すことで、その後押しができればいいなと思っています。地域の活性化は、エネルギーだけで完結するものではありません。仕事、食などまで解決していける仕組みを生み出したいと思います」。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
(株)アズマ
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
代 表:中島 一嘉
創 業:1978年
設 立:2003年
TEL:0943-24-4001
FAX:0943-24-2421
URL:http://www.e-azuma.jp

 
(前)
(後)

関連記事