下関ゴルフ倶楽部~理事長辞任に山口銀行相談役のカゲ(1)
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名門の誉れ高い下関ゴルフ倶楽部は1956年、中部利三郎氏(大洋漁業副社長)の手により創業された。下関ゴルフ倶楽部は昨年の秋、60周年を記念して、12億円かけてクラブハウスを建替えており、2017年はまさに新しい歴史を刻む輝かしい一年の始まりを予期していただろう。
しかし、現実は厳しい年明けとなった。というのは、福田理浩一理事長(山口FG会長兼山口銀行会長)が昨年の12月31日付で理事長及び理事を辞任。中部利三郎初代理事長の孫にあたる中部哲二代表理事が理事長代行に就任。形式的には『大政奉還』(中部利三郎氏→中部一次郎氏→田中耕三氏→福田浩一氏→中部哲二氏)ということになるが、理事長不在という異例の事態を迎えているのだ。
その原因となったのは、4年前のほんの些細な出来事からだった。それが後に福田浩一山口FG社長(兼山口銀行頭取)を代表権のない会長への更迭、そして下関ゴルフ倶楽部の理事長辞任へと追い込むことになろうとは、その時一体誰が想像しただろうか。『ゴルフ半額プレイ』の裁判を通じて、その裏には田中耕三山口銀行相談役のカゲがあることがわかってきたのだ。初めての方もいらっしゃるだろうから、過去掲載した記事などからその『点と線』の軌跡を追って見ることにしたい。
理事長辞任のカゲを追う
◆下関ゴルフ倶楽部は、2013年(平成25年)1月、社団法人から一般社団法人へ組織変更するために臨時総会を開催。福田理事長は慶祝の挨拶の中で、「クラブの経営は3,000万円の赤字」と、軽々に発したこの「一言」が発端だった。
その発言を聞いて会場は一瞬シーンと静まり返ったが、日頃から倶楽部の運営に不満を持つ会員の一人から「近隣のゴルフ場と比較して高い8万円の年会費を払っているのに、赤字と言うのであれば、田口三郎(前)キャプテンはキャディフィだけでプレイしているのはおかしい。取り戻すべきだ」と指摘したが、それに対して理事長は「後日、改めて説明する」と述べたにもかかわらず放置。この福田理事長の対応が会員の一部に不信感を抱かせる大きな要因となったといわれている。◆いつまでも返事がないため、会員の一部は有志を募り、独自に「ゴルフ半額プレイ」の調査を開始。すると一般会員がラウンドすると1日につき9,134円なのに、田口前キャプテンだけではなく、福田浩一理事長(山口銀行頭取)、田中耕三前理事長(元山口銀行頭取・現相談役)、梅﨑弘毅キャプテンの3人も半額の4,578円でプレイしていることが明らかになった。
◆その年の6月に開催された臨時総会で、会員有志はゴルフ半額プレイを質した。すると福田理事長は「昔から慣例として『コース視察制度』というものがあり、それを利用したまで」と反論。
誠意を示すどころか、開き直りとも取れる理事長の発言を受けて会員有志は態度を硬化。後日
書面にて、「下関ゴルフ倶楽部は損害を受けており、支払いを免れたその差額分の返還を求める訴え」を起こすよう求めた。しかし倶楽部側は「福田理事長ら4人の半額プレイは『業務による利用』であり、何ら問題はない」と提訴請求を拒否したのだ。(つづく)
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