下関ゴルフ倶楽部~理事長辞任に山口銀行相談役のカゲ(3)
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理事長辞任の翳を追う
◆2016年3月23日午前10時より、下関ゴルフ倶楽部の第2期定時総会がシーモールパレス(下関市)で開催された。「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住興信世話人)は、福田理事長など経営側のずさんな運営に対して、社員代表訴訟を起こしており、総会は裁判所から派遣された検査役が立会うという、異常な事態のなかで進められた。検査役の報告書は5月10日に裁判所へ提出されたが、11月30日に結審した裁判に大きな影響を与えたといわれる。
◆2016年4月26日、山口銀行の退職者で組織されている『清交会』(会長末広馨氏)の総会が山口銀行本店で開催された。福田頭取は前日25日に開催された地銀協(東京都千代田区)の会合の後、急きょ「熊本地震」の熊本入りを優先し清交会を欠席。一方田中相談役はその後の懇親会にも出席。この好対照の動きに出席した会員から、『代表が欠席するとはOBを馬鹿にしている』との声が上がったという。
しかしあるOBはこの声に、「田中氏は2002年6月に相談役に就任して以来14年、今も毎日運転手付きの専用車で山口銀行本店に出社している。福田浩一頭取は就任から12年、山口FGの社長は10年になる。しかし福田氏にとっては2004年5月21日の取締役会議で、前任の田原鐵之助頭取罷免のクーデターを指揮して、自分を頭取に引き上げてくれた田中相談役に退任を迫ることができないでいる。要は『頭取交代劇』がトラウマとなっているからだ」と語った。
また別のOBは、「頭取交代劇で守旧派だった末広会長(72歳)、西原克彦副会長(71歳)などは、年下の福田頭取(63歳)ではなく、田中相談役(90歳)の方を向いている。末廣氏は山口銀行OBを束ねる清交会の会長。副会長の西原氏は内規の停年である70歳を超えても、関係会社ワイエムリースの社長(6月13日付でワイエム証券の社長)に就任している。これこそ、田中相談役がいくら歳を重ねても、今も行内外に影響力を持っている証拠だと思う。福田頭取としては、老いが隠せない田中相談役であっても、その力を見せつけられるのが面白くないため欠席したのてはないか」と話した。
一方、田中相談役を良く知る役員OBは、「本部役員は6階の大部屋に詰めているが、福田頭取と田中相談役は特別扱いで個室。例年清交会の始まる前に役員OBは役員室を訪れるが、多くが相談役室に集まり、頭取室は少なかったのも事実。それでも頭取なのだからぐっとこらえて熊本入りをずらせば済むことなのに、それでも欠席したとなれば、二人に何かあったのではないだろうか」とふっと感じたという。「その予感は二週間後山口FG社長と山口銀行頭取の交代発表によって現実のものとなった」と寂しそうに語った。
(つづく)
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