巨額投資が相次いでいる有機EL市場(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
毎年1月には米国のラスベガスで、CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が開催される。CESは家電製品などを中心とした見本市で、一般には公開されず、業界のプロフェショナルを対象にしている。この見本市では、毎年多くの新製品が発表され、家電市場の現在と将来が把握できる絶好の場となっている。
今年のCESは1月5日から8日にかけて開催され、韓国のサムスン電子やLG電子をはじめ、日本のソニーやパナソニックなど、世界的な家電メーカーがブースを出展。そのなかでも今年は、大型・高解像度のOLED(有機EL)テレビが注目を浴びたようだ。
それでは、「有機EL(有機発光ダイオード)」とは何だろうか。
有機ELは、電圧をかけると電気エネルギーが光エネルギーに変わり発光する性質を持った、有機化合物からなる素子の一種である。有機ELは現在、スマートフォン(スマホ)などの携帯端末、大型テレビ、自動車向けのディスプレイだけでなく、照明などにも有効に活用されている。
今までディスプレイといえば、液晶ディスプレイ(LCD)が主流だったが、有機ELディスプレイは既存の液晶ディスプレイを代替しようとしている。有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて構造が単純である。なぜかというと、有機ELは自発光であるので、液晶ディスプレイのように光源を必要としないからだ。さらに液晶ディスプレイは光源のほかに、点および線光源を面光源にしてくれるバックライトユニット(BLU)も必要になるが、有機ELは別途の光源はいらないうえに、バックライトユニットも必要ないので、構造がシンプルになるわけである。
テレビに有機ELディスプレイを採用すると、厚さは4mmの超薄型になるうえ、軽量にもなる。スマホに有機ELディスプレイを使うと、平面は言うまでもなく、曲げることもできるし、低消費電力で薄型、軽量が実現できて、ディスプレイの質は上等になる。(つづく)
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