マンション管理の支配目論むモンスター理事の狙いは(中)
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マンションの管理組合理事として理事会を掌握し私物化するモンスター理事。修繕積立金などの運営費をターゲットにすることが多いが、このところその狙いが多様化している。
「所有物件を売却せよ」というモンスター理事A氏の要求に対し、コミュニティ社は売却でなく賃貸による提供を提案する。しかし、A氏は購入にこだわり「要求に応じなければ理事会に諮って管理委託業務を解除する」と脅迫した。コミュニティ社は常識的な交渉はできないと判断。内容証明をもって拒否の意思表示を示す一方で、同物件の管理組合にA氏の言動を報告した。報告を受けた管理組合はA氏の言動を法令違反と指摘。A氏に厳重注意する意思表示を示した。同物件理事長は弊社取材に対し「管理組合や理事会に積極的に出席して区分所有者として責任を持つべき」としてモンスター理事が出現しないように警鐘を鳴らしている。
管理組合が厳しい態度を示したことで、事態は収束に向かうことが期待された。ところが、A氏は11月下旬に活動を再開する。先述の中央区内の物件で理事会が開催された。管理会社委託見直しについてで、3社によるプレゼンテーションが目的だ。これに先立つ9月、管理組合総会でコミュニティ社との契約継続が決まっていたがA氏の働きかけにより実施されたのだ。組合理事長によると最終的に契約はコミュニティ社と継続することになったとされる。
A氏は理事会を開催したことについて「管理会社の見直しを行っているだけ」とコメント。また、物件を売却しなければ管理会社を変更すると脅迫したか否かについては、「それ(物件売却要請)は商売上の事。(管理会社見直しとは)別の話で脅迫していない」と否定している。
一方、コミュニティ社は「すべて議事録と音声が記録してある」と自信を示す。管理会社変更については「見直しが組合員(物件所有者)のためになることであれば協力するが、私利私欲には応じられない」とコメントしている。
(つづく)
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