美しすぎるレーサー塚本奈々美が語るクルマへの思い(後)
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塚本奈々美さんはドリフト(車を横滑りさせてコーナーを回る運転テクニック)を用いて技術を競う「D1東西日本シリーズ」や「ポルシェカレラカップ」、「GAZOO86/BRZレース」などに参戦するレーシングドライバーだ。ドライバーとしての技術もさることながら、その美貌からモデル業などもこなし、「美しすぎるレーシングドライバー」とも呼ばれている。幼少期をブラジルで過ごし、モータースポーツに身近に接してきた塚本さんに、車への思い、楽しさを聞いた。
車に興味をもってほしい!
――若者の車に対する興味が薄れていっています。
塚本 かつてはコミックやアニメなどで車をモチーフにしたものも多くありました。そこから想像を膨らませて、好きな車ができて、憧れの車を実際に見るとドキドキ感があって、わけもなく好きになって、目標になる。そして仲間ができて、欠かせないものになっていく、ということもあったと思います。それがどんどん減ったことが車離れにつながっていると思います。さらに、電車はたくさん走っているし、コンビニも近くにある、自転車で動けばたいていのことは事足りる、という世の中になってきたことも車離れの理由だと思いますね。では、なぜ車離れがよくないかというと、経済とのつながりがあるからだと考えています。車離れが始まると車を買わない、車がなければ遠出しない、遠くへ行かないからお金を使わない、となるとお金が回らなくなりますよね。すると自分たちで自分の首を絞めることになってしまいます。どんどんさみしい世界になるように感じます。とくに日本は世界から認められている車メーカーがたくさんあります。そんな国が、自分たちは興味はないが外国に売っていくというのは、あまりにももったいないのではないかと思います。
――車=環境性能ということが主眼に置かれるようになってから、おもしろい車が減ってきたように感じます。
塚本 環境性能、燃費の向上にしのぎを削っていた時期もあったと思います。今は少し変化が出てきましたね。トヨタからはAE86(1986年からつくられたカローラ・スプリンターのスポーツモデル。カローラレビン、スプリンタートレノ)の後継の86が出てきました。社会のみんなが今さら、っていう雰囲気になりましたね。とくに車業界では。「いまさらFR車?」「非合理的な作り方をする純ガソリン車で売れるのか」と批判的な意見が多くありました。ところが発売してみたら、お子さんに手がかからなくなった世代、40代50代の大人たちがいい車が出てきた、ちょっと乗りたいなということで大ブームになりました。今、私はGAZOO86/BRZレースに出ていますが、毎レース100台以上が集まります。みんな欲していたんだと思います。だからマツダもロードスターを新しくしようとか、ホンダもNSXを新しくしようという流れが出てきたのではないでしょうか。そこに若い子たち、これから免許を取ろうとする子たちが興味ないかというとそうでもありません。私の乗っている86は、ナンバープレートをつけて街中を走らせてイベントへ行くなどしているのですが、中学生、高校生が「ボンネットあけてもらっていいですか」と声をかけてきます。ナンバーをつけた車両のレースなのでボンネットを開けても普通なのですが、それでも見たいと言ってくれます。若者が興味をもってくれるのは、すごくうれしいですね。
――夢のある車が出てくると、車を好きになる人たちも生まれてくるのですね。
塚本 今も昔もスーパーカーが走っていると、あ、あの車は!となります。みんな魅力は感じるのだと思います。スーパーカーはただの移動手段ではなく、とんがっていて洗練された存在です。そのなかでも、もっとも進化したものがメガスーパーカーですね。ヴェイロン(ブガッティ社)とアゲイラ(ケーニグセグ社)を運転させていただきましたが、なるほどね、と、一言二言では言えないくらいの技術の進化とロマンを感じました。コックピットに座ってハンドルを握っただけでかっこいい!となる。これは男性も女性も関係なくそう感じる車です。ミニカーでしか見たことがない車がここにある、と思うと感動しますよね。私たちが乗っている車のなかには、万が一の際には自動でブレーキがかかるとか、スピンしないようにトランクションコントロールがついているなどいろいろな機能がありますが、メガスーパーカーは1,000馬力以上、400km以上のスピードが出る車だからこそ安全面もすごくしっかりしていて、「そんなこともできるんだ」と感じました。これはもうメカニックいらなくなっちゃったなと思うくらいでしたね。何より、こんな車をつくれるなんて、人間ってすごいなと感じました。
――6月には北九州でメガスーパーカーを集めたイベントがありますね。そのアンバサダーをされているとうかがいました。
塚本 こんなにすばらしい車が一堂に会することなど、ほかではありえないと思います。ぜひ親子でご来場いただきたいですね。お父さんが子どもたちに車の説明をしているシーンが生まれると思いますよ。昔、お父さんはこうだったんだ、とかそういう思い出を語る場になると思います。子どもたちはスーパーカーをミニカーでしか見たことがないと思います。それが実物大、目の前にあるという感動をぜひ経験してほしいです。
――車に興味を持ってもらう、大変いいきっかけになるでしょうね。メガスーパーカーモーターショー、私も楽しみにしています。本日はご多忙のなか取材協力していただき、ありがとうございました
。(了)
【柳 茂嘉】▼関連リンク
・レーシングドライバー・塚本奈々美さんが語る車への思い(動画)<プロフィール>
塚本 奈々美(つかもと・ななみ)
ブラジル・サンパウロ生まれ。10歳から山梨県で育つ。FIA・JAF国際Bライセンス、ドリフトD1-Aライセンスを持ち、映画「新劇場版頭文字D」のプロモーションアンバサダー、経済産業省後援「くるまマイスター検定」アンバサダー、大学特別講師などを務め、執筆活動や講演活動、モデルなど幅広い活動を精力的に行っている。TV・雑誌グラビアなどで「美しすぎるレーシングドライバー」として注目を集める。●メガスーパーカーモーターショー2017
塚本奈々美さんがアンバサダー、イベントスペシャルゲスト!ブガッティ・ヴェイロンやケーニグセグ・アゲーラをはじめとするメガスーパーカーが一堂に会するイベント!3億円を超える車たちが放つ威容はまさに芸術。ぜひ足を運んでいただきたい。<日 時>
2017年6月2日、3日、4日<場 所>
西日本総合展示場新館(福岡県北九州市小倉北区浅野3-8-1)<入場料>
大人3,500円(前売券3,000円)小人2,000円(前売券1,500円)
VIPチケット6,000円(前売券のみ)<お問い合せ>
メガスーパーカーモーターショー運営事務局
TEL:092-718-0024
URL:http://www.megasupercarmotorshow.com関連記事
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