森友学園問題は参考人を招致すべき
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、森友学園問題に関して参考人招致を行うべきと主張した、3月16日付の記事を紹介する。
国会では「アベ友」事案第一弾である「森友学園」事案に関する審議に多大な時間が投入されているが、問題が前に進まない主因は、安倍政権が関係者の国会招致を拒絶していることにある。
このような問題審議に多大な時間を投入するべきでないとの主張があるが間違っている。その主張は、この問題における安倍政権の責任を回避させるもので、適正な主張ではないからだ。
森友学園事案の核心は、「国有財産が適正な対価で譲渡されていない」疑いである。そして、その森友学園と政治、とりわけ安倍首相との間に深いつながりがあるとの事実が確認されている。こうなると、政治と業との癒着により、国および国民に損害が生じているとの可能性が浮上する。
単に、8億、9億という問題ではなく、現在の安倍政治の「腐敗体質」に対する疑念が生じているのである。安倍政権が「腐敗体質」との批判を撥ね退けるには、この問題の真実を明らかにすることが必要不可欠であり、安倍政権こそ、率先して真相解明に努めるべき立場にある。ところが、その安倍政権、より正確に言えば、安倍首相自身が、真相解明に向けてのプロセスに対して、背を向けている。「逃げ」の姿勢を示している。だからこそ疑惑は深まりこそすれ、解消されないのである。政治と業との癒着。そのために国や国民が損害を蒙る。これが問題の核心であり、その点に関する審議が進められていることは当然のことである。
稲田防衛相は、この「政治と業とのつながり」の部分に関する質問に対して「虚偽答弁」を行った。問題の核心部分についての答弁に「虚偽」があったのであり、責任を問われることは当然である。その稲田防衛相が2年前に籠池氏と面会したかどうかについて、面会していないと答弁している一方、籠池氏は面会していると述べている。この点ひとつについても、証言は食い違っており、事実を明らかにするためには、籠池氏の国会招致は極めて高い合理性を有する。
この問題は関係者の国会招致を実現しない限り、前に進まない。安倍首相は、本当にやましいことがないなら、関係者の国会招致を認めるべきである。それを拒絶し、逃げ回るから、疑惑がいつになっても解消しないのだ。参考人招致の実行が事態打開のカギを握る。
財務省の佐川宣寿理財局長が籠池氏の代理人弁護士に、「10日間姿を隠して欲しい」と連絡したとの情報が伝えられている。事実だとすれば、「事実隠蔽」を目的としたものであると考えざるを得ない。佐川氏は国会答弁で、この情報が「虚偽」であると答弁しているが、この点も籠池氏の国会招致により、明らかにしなければならない。
国有地が森友学園に激安価格で払い下げられた2016年3月から6月時点の国有財産処分に関する担当部局責任者は、佐川氏の前任者である迫田英典氏である。迫田氏は安倍首相の選挙区の出身者であり、今回の問題に関するキーパースンであると見られている。
戦争法制審議で国会が大詰めの局面を迎えていた2015年9月4日に、安倍首相は平日に大阪訪問を行っている。安倍昭恵氏が森友学園の塚本幼稚園で講演し、名誉校長に就任したのが9月5日。安倍氏の大阪訪問の前日には、安倍氏が迫田理財局長と面会している。
安倍氏が森友学園への国有地払い下げに関して、何らかの「関与」があった疑いは拭えない。もし「関与」があった場合には、安倍首相は首相と議員を辞職することを明言している。それほどに重要な事案であるからこそ、国会で真相を明らかにする責務が安倍首相にはある。財務省の佐川宣寿理財局長は、「法令に基づき適正に処理をした」と繰り返すが、「政省令に基く措置」が「法律に反する措置」になっている疑いが濃厚に存在する。この場合、「政省令に基く措置」には正当性がない。法律に反する行政措置が「背任罪」に該当することがあると考えられる。国有地を「適正な対価」でない価格で払い下げたのなら、「背任罪」が成立するからだ。
市民による刑事告発も検討されており、佐川宣寿理財局長、迫田英典前理財局長の国会招致も必ず行う必要がある。※続きは3月16日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1690号「安倍首相参考人招致拒絶が疑惑増幅の主因」で。
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