熊本城から贈られたエール、屋根に咲いた菜の花
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19年春の公開を目指す天守閣
2019年春の公開を目指し、本格的な復旧工事に入る熊本城天守閣。その屋根には菜の花が咲いていた。
熊本の人々から親しまれる戦国武将・加藤清正が今から約400年前に築城した熊本城は、いわば「まちの繁栄と安寧のシンボル」。1877(明治10)年の西南戦争では、当時の軍歌で「古今無双の英雄」とうたわれた西郷隆盛が率いる薩軍約1万4千の猛烈な攻撃に対し、明治政府軍はわずか4千で耐え抜いた。実戦で証明された難攻不落の堅牢な造りは、まさに「天下一の名城」であり熊本の人々の誇りであった。
それだけに、地震のダメージによって瓦と鯱が落ちた天守閣の痛々しい姿は、熊本の人々に大きなショックを与えた。復興へ向かう人々の「心の支え」という意味でも熊本城の復旧は重要テーマの1つとなる。自宅が半壊するなどの被害を受けたという熊本市在住の女性は、天守閣の菜の花を見つけ、「いのちのたくましさを感じます。自分たちも頑張らなければと思いました」と語った。菜の花は、熊本城から市民に贈られた励ましのメッセージなのかもしれない。
【山下 康太】
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