打倒ピザクック！ ドミノ・ピザが福岡進出強化を狙い「ダメ出し」を募集中（後）

　宅配ピザが日本に登場したのは、1985年。東京・恵比寿に登場したドミノ・ピザ1号店からだ。以来30年、電話一本で焼き立てのピザを届けてくれる宅配ピザは、日本の食文化を大きく変えた。この宅配ピザビジネスに先鞭をつけたドミノ・ピザが、福岡では苦戦を続けている。そこで打ち出した新キャンペーンが「愛のダメ出しクーポン」。はたしてどんな「ダメ出し」を求めているのか、（株）ドミノ・ピザジャパン営業部第五営業課スーパーバイザー（福岡地区担当）古川直人氏にお話をうかがった。

食に恵まれた福岡は宅配ピザにとっては厳しい土地

　――福岡は、ドミノ・ピザにとってはどのような位置づけの地域でしょうか。

注文したピザがどこまで来たか、GPSで場所を確認できる「GPS DRIVER TRACKER」など意欲的な取り組みも

　古川　福岡は日本でも有数の都市の1つですし、おいしいものを安く食べられる、素晴らしい街です。我々としても、福岡を盛り上げていきたいと思っています。
　ただ、ドミノ・ピザのビジネスから考えると、なかなか難しい地域だといえます。現在福岡でトップのピザクックさんはピザの価格帯がドミノ・ピザよりぐっと安いですから、お客さまもピザを食べようというときの予算がかなり低くなります。これは、宅配ピザビジネスを行ううえでは非常に難しい地域だということになります。

　――そうですね、ピザクックさんはSサイズなら1,000円台ですから。割引がはいると、Mサイズでも1,000円台になります。

　古川　ドミノ・ピザはMサイズからですからね。価格帯自体がかなり違います。

　――いってみれば、福岡の宅配ピザチェーンはファストフードに近いわけですね。しかしドミノ・ピザの場合は「ちょっとおいしいもの食べたいね」という際に選ばれる印象がありますから、直接価格で勝負するとなるとちょっと難しい。
　それに、福岡は食の選択肢が非常に多いですよね。中食も、外食も選択肢が多い。休日の昼食や夕食の選択肢に、ピザ以外にさまざまなライバルがいるわけです。

　古川　はい。福岡は食文化が非常に発達していて、そもそも宅配ピザ以外にも魅力的な選択肢がたくさんあります。ということは、まず宅配ピザチェーン同士が奪い合うパイ自体が小さいことになります。

　――今回のキャンペーンの、目標はどのようなものでしょうか。数値目標は設定しているのですか。

「福岡でのナンバー1を目指します！」と決意を語ってくれた古川直人氏

　古川　今回は数値目標の設定はありません。まずはたくさんの「ダメ出し」をいただいて、そこから私たちが福岡でナンバー1を取れるようにがんばっていきたい。さまざまなチャレンジをしていきたいと思います。これが目標ですね。今の状態ではピザクックさんがチャンピオンで、われわれドミノ・ピザはチャレンジャーという気持ちで臨んでいます。ですからお客さまからドミノ・ピザとピザクックさんを比較して、「ピザクックはこうしているのに、ドミノ・ピザはできていない。だからダメだ」というダメ出しをいただければ、すぐ検討して、よいところはどんどん取り入れていきたい。そういうことをどんどん吸い上げていきたいと考えております。

　――では最後に、私からも1つダメ出しを。

　古川　え、なんでしょうか？

　――私の自宅（糸島市）は、近くに店舗がないのでそもそもドミノ・ピザが届きません！福岡県内に16店舗では、そもそも店舗の密度が低いのでは？

　古川　はい、新規出店も検討しております。福岡ナンバー1になるためには必要だと考えていますから。ぜひ、皆さんからもダメ出しをよろしくお願いします！

（了）
【文・構成：深水　央】

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