戻ってきた「てるちゃん」、中央区赤坂に店舗でオープン!
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約1,300名が存続を望んだ憩いの場
福岡市の屋台基本条例で3月末に廃業を余儀なくされた屋台のうち、中央区赤坂で営業していた屋台「てるちゃん」が4月27日に店舗「赤坂屋台 てるちゃん」としてオープンした。会社帰りのサラリーマンや企業経営者など、「復活」を待ちわびていた常連客が続々と来店。再会を喜びつつ、杯を重ねた。
大将のエリナさんはまだ20代。学生時代から手伝っていた「てるちゃん」を引き継いだ。先代の頃からの常連客にも支えられ、昨年末入籍したご主人のむらっちとともに屋台営業を続けてきた。大将をはじめ、プロ野球・千葉ロッテマリーンズのファンが集うことでも知られ、新店舗には、歴代の名選手のサイン付きユニフォームやボールなどを展示。ファンにとっては憧れのラインナップという。
「仕事帰りに安く、仲間と酒が楽しめる。それが『屋台』の本当の魅力」(常連客の男性)。メニューは、おススメのフィリピン料理「アドボ」をはじめ、目移りしそうな豊富な品揃え。「夕飯代わりに毎日来ても飽きない」(同)。さらに、店舗「赤坂屋台 てるちゃん」では、屋台で提供できなかった生ビールやボトルキープサービスも始めた。屋台の魅力を残しつつ、ファンサービスを追求した。
「てるちゃん」の灯を消そうとしたのは、理不尽かつ横暴な高島市政の所業である。「名義貸し」と判断し、今年3月末で営業許可を取り消すことを一方的に決めた。さらに、屋台としての存続をかけた昨年11月の屋台公募では、赤坂地区を募集エリアから除外。同地区での存続を求める常連客が集めた署名は約1,300名。その声も担当課長の冷たい一言で吹き飛ばされた。「見る必要がない」。
客同士のコミュニケーションが魅力の1つである屋台。とくに地域に密着した赤坂の屋台は、常連客があってこその営業だった。エリナさんは、飲食店がひしめく福岡市内で、できる限り、常連客から離れない場所に空きテナントを求めた。ちょうど、店じまいをする飲食店と入れ替わる形でテナントが見つかったことに皆が喜んだ。新店舗は、中央区赤坂1丁目のスーパー「サニー赤坂店」が入る建物の地下1階(福岡市中央区赤坂1-9-1地下1階)。「久しぶり!元気してた?」「よかったね!」「ありがとう」。店を訪れる「てるちゃん」ファンの第一声。横暴な高島市政に消されかけた「屋台てるちゃん」の灯が消えることはなかった。
【山下 康太】
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