モバイル送金・決済の大きな可能性(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
モバイル送金サービスとは、銀行口座の代わりに携帯電話を使って、お金のやり取りをするサービスである。エムペサのようなモバイル送金サービスの場合には、送金する人も送金を受けるひとも銀行口座がなくても送金ができる便利なサービスである。送金する際にはまず、店に行ってお金を払い、携帯電話に一種のチャージをする。その後相手の携帯電話番号宛に送金を行い、送金される側もその携帯電話を、店舗や代理店に持って行って、お金を受け取ることができるシステムである。
この方式は銀行にとってはコストをかけて支店網を増やさなくてもいいし、利用者は携帯電話さえあれば気楽に送金ができるので、このサービスは大きく成長することになった。
今までの送金はどうだったのだろうか。韓国でもそのような時期があったが、ケニアでも地方の若者は都市に出て就職することになる。食べたいものがあっても我慢し、貯めたお金を家族に送金することになる。しかし、どうやって送金するのか。ケニアで主に利用された交通機関はマタトゥと呼ばれる小型バスである。そのバスの運転手にお願いしてお金を家族に渡してもらうのだ。しかし、時々トラブルも発生する。郵便局でも送金サービスがあるが、支店数がすくなく、手数料も高い。
このような状況の中で誕生したのがエムペサであった。これは大いに受けた。ケニアではエムペサは公共料金や教育費などの支払いから、給料の受け取りまでいろいろな分野に活用されている。
それでは、エムペサは現在どのように運営されているだろうか。サファリコムは代理店を経由してこのサービスを展開した。代理店はケニア全国に7万店ある。代理店はもともと生活必需品と飲料などを売っていた小さな店舗がほとんどであった。このような零細な店舗はあまり信用されないが、ボーダフォンが運営するケニア最大手のモバイルキャリアなら信用するので、そのようなマーケティングを展開した。エムペサの利用は簡単である。まず代理店に行ってエムペサの加入申請をし、自分の携帯電話を登録する。本人確認をした後、加入者が現金を渡すと、代理店ではその金額分をエムペサのアカウントに送金する。(一種のチャージのような行為である)。実際送金する際には、エムペサのボタンを押した後、相手の携帯電話番号と送金額を入金した後、送金ボタンをおすだけ。送金を受けた人は代理店に行って携帯電話をみせれば、お金を払ってくれる。
今世の中ではモバイルを活用した様々な変化が起きている。中国でもアリペイやWeChat Payなどモバイル決済・送金サービスが大流行している。このような便利サービスがあれば、もう銀行は必要とされないかもしれない。
(了)
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