韓国大統領選挙の結果(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
5月9日に行われた韓国大統領選挙の結果は、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が41.08%の得票で当選が確定した。
韓国政治は昨年10月以降、激動と困難を極めていたが、これでようやく政治空白から抜け出す足がかりがつくられた。去年10月、朴前大統領の親友による国政介入疑惑が持ち上がってから、朴前大統領の退陣を求める市民集会「ろうそくデモ」、12月9日の国会での弾劾訴追案可決。それから憲法裁判所の朴前大統領への罷免認容で朴前大統領の職務が停止することになり、今回の大統領選挙が行われた。そのため、今回の選挙は与党には厳しい戦いで、野党の「共に民主党」にとっては有利な選挙であった。
今回の第19代大統領選挙の投票率は77.2%だった。大統領選挙への関心があまりにも高くて、当初は投票率が80%を超えるという予想もあった。しかし、結果は80%には届かなかったが、それでも20年ぶりに高い投票率を記録した。
韓国の大統領の任期は5年で、文在寅大統領はこれから5年間、韓国の最高責任者になる。ところが、今回与党になる「共に民主党」は国会で過半数に届かない119議席しか確保していないので、首相の任命などで他の政党の協力が得られなかった場合、国政運営が難航する可能性はある。
今回の大統領の選挙を振り返ってみると、いくつかの特徴がある。
1つ目に、選挙期間がかなり短かったこと。また、当選が決定したら翌日からすぐ大統領に就任することも、今回の選挙の特徴であろう。
2つ目に、今回の選挙にテレビ討論が導入された点である。今までは有権者は、候補の一方的な演説だけを聞かされていたが、候補同士のTV討論会が導入されることによって、国民が候補を検証できる良い機会が与えられたことは高く評価してもいいと思った。
3つ目に、今までの大統領選挙は地域対決の性格が色濃く出ていたが、今回は地域ごとの候補で対立するような現象はなくなった。
4つ目に、今回の選挙は「ろうそくデモ」がもたらした選挙だったので、選挙期間中、その影響はずっと尾を引いていた。
それでは、今回「第19代韓国大統領」に就任した文在寅氏とは、どのような人物なのだろうか。
(つづく)
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