不合理、癒着うずまく久留米市の現在 会頭にアゴで使われる市長でいいのか(前)
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久留米シティプラザを中心に、さまざまな疑惑がうずまく久留米市。一連の取材にあたった2名の記者に、久留米が抱えるさまざまな問題について語ってもらった。現在、福岡市のベッドタウンという新しい役割を得て発展しつつある久留米だが、商工会議所会頭や市長にまつわる薄暗い噂話はまるで昭和の任侠映画のようだ。明るい未来に向け、過去のしがらみを振り捨てることができるだろうか。
税金を食いつぶし乱立する箱モノ
――さて、ではまず久留米シティプラザのお話からいきましょう。そもそも、なぜあんなものが建てられてしまったんでしょうか。
A 合併特例債の消化がいちばんでしょうね。民主党政権時は箱モノ行政が親の仇のように叩かれていたわけですが、そのころから比べると財政的にはそこまで改善がみられないわけでしょう。久留米だけでなく、なぜ地方都市ではいまだに官主導の箱モノが建てられているかというと、それは合併特例債の存在という答えになるわけです。
B 期限付きだから、使ってしまわなければいけないという意識があるんでしょうね。
――国が返済の70%を負担してくれるといっても、やはり財源は国民の税金ですからね。それを恣意的に運用するかのような使い方は、そもそも間違っています。
B 柳川市にも、45億円を投じて800人収容のコンサートホールを作る動きがあります。サザンクス筑後、久留米シティプラザ、そしてこの柳川の新しいホールと、いったいどれだけ作れば気が済むんでしょうか。
A 久留米シティプラザは、久留米市だけにとどまらず近隣の自治体からも集客できるようにと作られたものでしょう。県南の中核都市である久留米市の文化的な中心として建てられたものですよね。その後に柳川市でそんな動きが出るということは、そもそも周辺の自治体とのコンセンサスはまったく取れていないということじゃないですか。
西鉄駅とJRのはざま いったい誰が訪れるのか
――かつてこの久留米アーケード商店街がにぎわったのは、西鉄久留米駅の存在によるものでしょう。
B もちろん、そうですね。
――しかし、今や久留米のまちにとって影響が大きい公共交通機関は、JR久留米駅を通る九州新幹線ですよね。九州新幹線の開通で久留米市は福岡の通勤圏内に入り、福岡市のベッドタウンとしての立場を確立しました。
A 久留米市は転入者をいかに増やすかということに力を入れていますね。転入者に補助金を出しています。主なターゲットは、福岡市への通勤者です。つまり、普通に考えれば久留米市が力を入れるのはJR久留米駅周辺となるわけです。
B ですね。しかし実際は、久留米シティプラザはJR久留米駅と西鉄久留米駅の中間に近い場所にできました。
――どれくらい離れているんでしょうか?
B 徒歩ならJR久留米から20分、西鉄久留米からでも15分かかります。
――若者や子どもならいざしらず、お年寄りの足を考えるとかなり遠いですね。
A 他の自治体の例にもれず、高齢化が進んでいる久留米としてはちょっと考えにくいところです。
(つづく)
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