2024年11月16日( 土 )

大河ドラマ招致実現で柳川を活性化へ(2)~柳川市長 金子 健次 氏

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 今年4月、任期満了にともなって行われた福岡県柳川市長選挙は、現職で自民、公明推薦の金子健次氏(68歳)が無投票で三選を果たした。大和町、三橋町を加えて発足した2005年の新市発足後、無投票は初。これまでの市政への取り組みが評価されたと言えるだろう。力士からメダリストまでと話題に事欠かない柳川であるが、金子市長に柳川市政のこれまでとこれからについて聞いた。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

西鉄柳川駅周辺が都市景観大賞受賞

 ――それはかなり飛躍されていますね(笑)。ところで、まちづくりとしてはどのような取り組みをしていますか。

都市景観賞を受賞した西鉄柳川駅

 金子 柳川は昨年4月、国土交通省より、「西鉄柳川駅周辺における市民、事業者、行政、専門家による景観まちづくりの取り組み」が平成28年度都市景観大賞(景観まちづくり活動・教育部門)を受賞しました。夜に柳川駅を見てみてください。とてもきれいですよ。

 ――そうなんですね。最近、柳川の風向きが変わってきた感じがします。現在の柳川市の観光客は、どれくらいいますか?

 金子 135万人です。うち15万人がインバウンド(海外からの観光客)で、そのうち約6割が台湾からの観光客です。先日も台湾に出向き、トップセールスで柳川のPRをしてまいりました。台湾は、日本語を学びたい人が多いですね。我々はタクシーの運転手、ホテルマンなど観光客と関わりの多い業種の方々に、「やさしい日本語」で接する取り組みを行っています。

 ――「やさしい日本語」ですか。

 金子 方言を使わない。敬語を使わないなどですね。これらを使うと外国人の方には理解しづらくなります。日本語に関心を持つ台湾の方々をはじめ、インバウンドの方々とのコミュニケーションの一環です。英語を話せなくても、やさしい日本語を考えることはできます。この取り組みに、国から地方創生の一環として、1,500万円の助成金をいただきました。

 ――「おもてなし」に力を入れているのですね。

 金子 この言葉は滝川クリステルさんが東京オリンピック招致の際に使ったことで注目されましたが、実は私は、その前からこの言葉を使っていました(笑)。柳川駅をはじめ、市内の至るところに「おもてなし柳川」ののぼりがあります。国内外の観光客の方々に、「また柳川に来たい」と思っていただけると嬉しいです。

 ――おもてなし精神は、金子市長のお人柄からもひしひしと伝わってきます。しかし、観光客は多くても、宿泊客は少ないですよね。やはり観光客の10~15%ほどは宿泊しないと。

 金子 たしかにそれは課題としてあります。現在、宿泊客は年間4万人です。将来的には観光客150万人、宿泊客は今の倍以上の10万人を目標としています。今までの柳川は、「川下り」や「さげもん祭り」などで観光に訪れる人たちは多かったのですが、宿泊客は少なかった。いわゆる通過観光地となっていました。今までは宿泊施設が足りませんでしたが、柳川駅東側にルートインホテルができ、そのほかにもホテルの建設計画があります。

(つづく)
【文・構成:矢野 寛之】

<プロフィール>
金子 健次(かねこ・けんじ)
1948年8月、福岡県三橋町(現・柳川市)生まれ。福岡県立山門高校、福岡大学商学部を卒業後、三橋町役場に入庁。2005年3月、柳川市、大和町、三橋町が合併し、新柳川市誕生後は、柳川市役所の福祉事務所長、議会事務局長を歴任。09年4月、柳川市長に就任した。

 
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