いつまで続くか「一風堂」株価高値圏(後)
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博多ラーメン店「一風堂」を展開する(株)力の源ホールディングス(HD)の株価は激しく乱高下した。3月21日、東証マザーズに新規上場。初日は値がつかず、翌日に公開価格600円の3.7倍に当たる2,230円で初値をつけた。24日には3,655円と公開価格の6.1倍に急騰。その後、株価は下がり続け4月13日には1,858円に下落。初値を割り込み、高値から半減だ。現在、株価は持ち直し、5月31日の終値は2,140円。公開価格の3.6倍だ。実力以上に評価されている。高値圏はいつまで続くか?
個人投資家を取り込む株主優待策
上場会社は、何で評価されるか。いたってシンプルだ。投資家の要求は2点。「もっと利益を上げろ」と「もっと成長を続けろ」ということだ。平たくいえば、企業価値を高めろ、つまり、株価を高めて儲けさせろということだ。
力の源HDは、この条件をクリアするために、どんな手を打つのか。欧州や豪州で「一風堂」のラーメン店を展開して、成長と収益の向上につなげる。それが25年に海外店舗を300店の数値目標を掲げた理由だ。
それでは、株価はどう維持するか。キーワードは株主優待制度である。株主優待制度を導入する企業が増えている。大手証券会社の調べでは2月末で1,370社を超え、上場会社の35%%と過去最多だ。株主優待は一定数以上の株式をもつ株主が受けられるサービス。株主優待制度では、1年に1~2回ある権利確定日の前に株を購入すれば優待を受けられる。
生命保険会社などの機関投資家や海外の投資ファンドは株主優待策に反対論を唱えている。優待策の原資は、配当に振り向けられるのが筋とみなしているからだ。とはいえ、外食会社などは個人投資家を取り込むために、株主優待策の導入に積極的だ。力の源HDの株主優待の内容
力の源HDは、上場前から株主優待が期待されていたが、4月14日に株主優待制度が正式に発表された。効果はてきめん。株価は直後の3月24日に3,655円の高値をつけた後、一本調子で下落を続け、4月13日に1,858円と半減していた。4月14日の前場終了後に発株式優待が発表されて下げは止まった。4月14日は1,989円で取引を終えた。それを機に上昇を辿る。好決算と株主優待の相乗効果である。
ただ優待を手に入れると株をすぐに売却する投資家も多く、株価の変動を招きやすいなどの悩みがある。一方、日本マクドナルドホールディングス(株)は 優待を安定株主づくりに直結させた代表的銘柄だ。株主優待目当てで買う個人投資家が極端に多く、株価は業績に関係なく高止まりしている。
一風堂はどちらになるか。初回は9月末日が確定分。株価が高値圏を維持するか、公開価格に向って下落するか。最初のハードルだ。(了)
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