九州地銀(18行)の決算(17/3月期)を検証する(1)
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昨年は2行(北九州銀行・宮崎太陽銀行)で頭取の交代があったが、今年は平穏だった。
いよいよ、来週から定時株主総会が開催される(【表1】)。そのトップを切るのは九州FGで6月21日。肥後銀行本店の2階大会議室にて午前10時より開催されることになっている。鹿児島銀行本店は中継会場となるが、株主総会出席株主が分散されるため、集計に神経を使うことになりそうだ。九州地銀の17年3月期決算を検証していく。ゼロ金利政策が続くなか、昨年1月29日、追い打ちをかけるように日銀はマイナス金利政策を導入。九州地銀(18行)にとっては、厳しい決算となった。【表2】を見ていただきたい。
1.九州地銀の当期純利益順位表
この表から見えるもの
◆トップは福岡銀行で441億円(前期比▲14億円)。第2位は西日本シティ銀行で251億円(前期比▲48億円)。第3位は昨年4位だった鹿児島銀行が同じ九州FG傘下の肥後銀行を抜いて108億円(前期比▲7億円)。第4位は宮崎銀行で92億円(前期比▲5億円)。第5位は昨年第3位だった肥後銀行で87億円(前期比▲52億円)。昨年4月14日に発生した熊本地震の影響が甚大であったことが読み取れる。
地震の影響は隣県の大分県にも及んでおり、大分銀行は順位の変動はなく第6位を守ったものの、前期比▲21億円の75億円と大きく減益となった。
◆第7位と第8位が入れ替わった。第7位になったのはふくおかFG傘下の親和銀行で74億円(前期比22億円増)。一方、7位の座を譲ったのは十八銀行で54億円(前期比▲14億円)。
昨年2月26日、ふくおかFGと十八銀行は経営統合することで基本合意に達したと発表。しかし、長崎県を地盤とする十八銀行と親和銀行が将来的に合併することも盛り込まれていたたため、公正取引委員会が独禁法に抵触すると調査に入り、合併は延期となっている。経営統合に暗雲が漂っていることが、順位の変動に大きな影響を与えたものと見られている。
2.FGおよびFHについて
九州地銀18行のうち、ふくおかFGに3行(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)。九州FGに2行(肥後銀行・鹿児島銀行)。山口FGに1行(北九州銀行)。西日本FHに2行(西日本シティ銀行・長崎銀行)。計8行がFGもしくはFHの傘下に入っており、もし十八銀行がふくおかFGと経営統合することになれば半数となる。人口の減少にともなう経営統合は時代の流れなのかもしれない。
(つづく)
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