九州地銀(18行)の決算(17/3月期)を検証する(5)
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【表】は九州地銀(18行)の総資産残高順位表である。以下にこの表から分かることを述べる。
この表から見えるもの
・第1位はふくおかFGで連結修正後の総資産残高は前期比1兆7,069億円増の18兆1,130億円(前期比+10.4%)。内訳をみると、福岡銀行は前期比1兆6,430億円増の14兆64億円。親和銀行は預け金を486億円減少させたことなどにより、前期比▲315億円の2兆5,641億円。熊本銀行は前期比1,468億円増の1兆7,064億円。
ふくおかFGの総資産残高は16年3月期まで地銀トップだったが、16年4月1日に横浜銀行と東日本銀行が経営統合してコンコンディアFGが発足。17年3月期のコンコルディアFGの総資残高は、18兆7,399億円。ふくおかFGは▲6,268億円の差をつけられてその座を奪われている。
昨年の2月26日、ふくおかFGと十八銀行は17年4月1日に経営統合し、18年4月に親和銀行と十八銀行が合併するスケジュールを発表。それを受けて公正取引委員会は独占禁止法に抵触する恐れがあるとして審査に入った。そのためふくおかFGと十八銀行は今年1月20日、公取委の審査が長期化していることから、統合時期を10月1日まで半年延期すると発表した。
もし10月に経営統合が承認されれば、十八銀行の17年3月期の総資産2兆9,544億円を加えると21兆674億円となり、コンコルディアを2兆3,275億円上回り、18年3月期には再びトップの座を取り戻すことができるのだ。・第2位の九州FGは9兆6,385億円。第3位は西日本FHで9兆4,864億円。九州FGは西日本FHの前期比+4,010億円(単純合算)に対し、前期比+6,986億円と大きく増加し、1,521億円の差をつけて第2位の座に就いた。
ただし、ふくおかFGと十八銀行は暗雲漂う経営統合を前進させるため、西日本FH傘下の長崎銀行に営業譲渡する方針を表明しており、その規模いかんによっては、西日本FHが巻き返せる可能性も出てくる。ただ単に両グループの競争だけではなく、外部の経営統合とも連動しており、当面、目が離せない状況が続くことになりそうだ。・第4位は大分銀行で3兆2,110億円(前期比489億円増)。第5位は宮崎銀行で2兆9,785億円(前期比2,037億円増)と激しく追い上げている。第6位は佐賀銀行で2兆3,353億円((前期比425億円増)で、ここまでが2兆円を超えている。第7位の北九州銀行は1兆2,027億円だが、南日本銀行以下6行は1兆円を切っている。最下位の佐賀共栄銀行は貸出金が前期の1,824億円から1,808億円と16億円減少したため、わずかではあるが前期比▲2億円となっている。下位の単独行にとっては総資産の増加もままならない状況になっているようだ。
(つづく)
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