ドミノ・ピザへのダメ出し750通以上！愛のムチを受け新たなチャレンジへ（前）

2017年6月23日 10:08

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　ピザクックなどの地元勢に押され、福岡では苦戦を続ける宅配ピザ老舗、ドミノ・ピザ。そこで、顧客から「愛のダメ出し」を募るという奇策に出たが、はたしてどんな「ダメ出し」が寄せられたのか？（株）ドミノ・ピザジャパン営業部第五営業課スーパーバイザー（福岡地区担当）古川直人氏にお話をうかがった。

「ダメ出し」よりも「愛」が来た！750通以上の「お気持ち」が届く

　――さて、前回お話いただいた「福岡地区限定ドミノ・ピザ愛のダメ出しクーポン」。実際、どんな「ダメ出し」が来たのでしょうか？

（株）ドミノ・ピザジャパン古川直人氏

　古川　およそ750通と、数多くのご反応をいただきました。ピザもたくさんご注文いただけましたしね。寄せていただいた声ですが、実は『ダメ出し』もいただきましたが、半分以上がお褒めや励ましなどの温かいお言葉だったんですよ。厳しいご意見を覚悟していた我々も、ちょっと安心したといいますか（笑）。

　――具体的には、どんなご意見でしたか。

　古川　そうですね、まず30代の女性の方から、「天気が悪いときの配達は大変だと思いますが、安全に気をつけてこれからもがんばってください」。それと40代女性の方からは「ドミノ・ピザとてもおいしいです。卑下することなんかありません！自信を持ってください」。

　――たしかに、おいしさについては卑下することは何もないと思います（笑）。

　古川　他にも「ピザが好きで、いつもドミノを選んでいます」「ドミノのピザは、うまいの一言です。これからもおいしいピザを作ってください」「（配達スタッフの）笑顔が素敵です！」などなど、ありがたい言葉をたくさんいただきました。

　――厳しいお言葉には、どんなものがありましたか。

　古川　「なぜピザクックに勝てないのか」これは我々も知りたいですね……。それについて、「味、品質、知名度。やる気だと思います。さらに言うならわくわく感がない」という意見もありました。

　――わくわく感……。これはなかなかシビアなダメ出しですね。

　古川　ほかに「なぜドミノじゃないとダメなのかをもうちょっと考えたほうがいい」。あとは「地元を意識してないんじゃないか」というお言葉もいただきました。ピザクックさんは、ホークスやアビスパを応援しているというスタンスを前面に押し出していますしね。「（ピザクックさんは）九州の味をメニューに押し出しているので、親しみを感じます。それがないので、ドミノ・ピザは購買意欲が湧かない」などのご意見もいただきましたね。

　――厳しい方向のご意見には、やはりライバルのピザクックさんの名前が登場してきますね。

　古川　こちらとしてもピザクックさんの名前は出していますからね。

お客さまの声に立ち返り　自分たちの強みを再確認

　――内部では、今回の「愛のダメ出しキャンペーン」の前後でどう変化がありましたか。

　古川　私どもはお客さまの声を聞いて変化していきたいと思っております。そうしたなか今回の企画を通してお褒めが非常に多かったことはポジティブに捉えることができました。これまで「我々はピザクックさんに負けている、二番手だ」という意識が強かったのですが、これだけご支持をいただけたことは本当に良かったです。また厳しい意見もいただきましたから、これを元に何度も話し合いを重ねることで、スタッフの士気が大きく上がっています。
　お客さまのご意見を聞いて自分たちを変化させていくというのは、ビジネスでは基本的なことです。今回のように、お客さまに率直にご意見をいただくという方法は、想像以上にスタッフへの影響が強かったと思っています。

　――宅配ピザは、いわゆる対面型の店舗ではありませんから、お客さまの声は今回のように意識しないと集まりませんね。

　古川　こうやってご意見を聞けるのは、非常にプラスでした。それに、今回いただいた励ましやダメ出しから、自分たちドミノ・ピザの良さを改めて再確認することができました。「たくさんのお客さまに支えられている」ということに気がつけたのが一番ですね。一枚一枚のピザを手作りでつくって、焼き立てのピザをできるだけ早くお届けする。宅配ピザ業の基本ですが、今回たくさんいただいた励ましには、「どこよりもおいしい」という声がたくさんありました。まだまだ成長を続けていかなければいけませんが、私たちが日々行っている仕事がお客さまに評価されているんだな、自分たちの気持ちがお客さまにしっかり伝わっているんだな、と改めて認識することができましたね。