九州地銀(18行)の決算(17/3月期)を検証する(6)
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4.資産残高について
【表】は九州地銀(18行)の純資産残高順位表である。以下にこの表から分かることを述べる。
この表から見えるもの
・第1位はふくおかFGで連結修正後の純資産残高は前期比▲726億円の7,120億円(▲9.3%)。だった。その大きな要因は、熊本銀行と親和銀行の経営統合に伴って発生した「負ののれん代」、948億円を一括償却したからだ。
内訳をみると、福岡銀行は前期比274億円増の6,267億円。親和銀行は前期比30億円増の1,284億円。熊本銀行は前期比▲2億円の862億円。FG内では圧倒的に福岡銀行が優位な立場にある。
もし純資産1,605億円の十八銀行がふくおかFGと経営統合することになれば、福岡銀行に次ぐ第2位となるものの、親和銀行と合併する予定となっており、その影響力は次第に失われていくものと推測される。
先述した通り、ふくおかFGの総資産残高は16年3月期まで地銀トップだったが、昨年4月に横浜銀行と東日本銀行が経営統合してコンコンディアFGが発足。17年3月期のコンコルディアFGの純資産は、1兆1,137億円となり、十八銀行を加えてもふくおかFGの純資産は8,726億円で、遠く及ばない経営成績となっている。・第2位は九州FGで連結修正後の純資産は6,150億円(前期比+97億円)。ふくおかFGとの差は▲970億円。一方、第3位の西日本FHは5,116億円で、その差は+1,034億円となっており、九州FGの内部留保の厚さがわかる。
・第4位は大分銀行で1,894 億円(前期比+12億円)。第5位は宮崎銀行で1,392億円(前期比+32億円)。第6位は佐賀銀行で1,206億円(前期比+13億円)。
・第7位の北九州銀行は965億円(前期比+49億円)となっており、この調子でいけば19年3月期には1,000億円台の仲間入りを果たすことになりそうだ。第8位は宮崎太陽銀行で479億円(前期比+34億円)。総資産残高では第10位だが、純資産残高では南日本銀行、筑邦銀行を上回っている。
・九州地銀18行のうち、純資産が減少しているのは、熊本銀行、肥後銀行、筑邦銀行の3行。そのうち筑邦銀行は、前期比▲12億円の395億円。有価証券の評価差額金が▲18億円となったことなどが要因となっている。いずれにせよ、純資産は最終利益を積み上げるものであり、純資産が下位の単独銀行は、人口の減少に伴う地域経済の縮小の影響や他行との競争も厳しく、今や経営統合の道を模索する時期に来ていると言えるのではないだろうか。
(つづく)
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